宮城大弥を始め、山崎福也、田嶋大樹など左腕投手を中心にバッテリーを組んで、チームのパ・リーグ連覇と日本一に貢献した伏見は「この度、FA権を行使させていただくこととなりました。プロ入りから10年間育てていただき、お世話になったオリックス球団、バッテリーを組んできた投手たち、チームメイトにはもちろん愛着があるので、本当に悩みました」と苦悩の決断だったことを明らかにした上で、「限られた時間の中で、色々なタイミングが重なり、権利を行使することに決めました。今後については、球団の方とも話をさせていただきながら、自分のことを評価してくださるチームがあるのなら、そういった話も聞かせていただきたいと考えています」と宣言を行使した理由を説明していた。
今シーズンは、チーム内で最もマスクを被っていたが、若月健矢、頓宮裕真らとの併用での起用で、オリックスは今オフ、埼玉西武ライオンズから打撃面でも期待ができる森友哉捕手をFAで獲得しており、チームのキャッチャー事情も伏見の決断を後押ししたようだ。伏見は北海道出身とあって、来シーズンから新球場で開幕する北海道日本ハムで、正捕手の座をめざすことになる。
SNSでは「寅威さん」がトレンド入りするほど、オリックスファンから惜しまれていた。自身が出場していない試合でもベンチで声を張り上げることにより、チームを鼓舞し続けており、若手選手にとっては、必要な優しく厳しい先輩でもあった。オリックスの伏見寅威として、ファンとのお別れの場所は、23日に京セラドーム大阪で行われるファンフェスティバルになりそうだ。当日は、ポスティングシステムを使ってメジャー挑戦を表明した吉田正尚にとっても、現時点では最後のオリックスのユニフォーム姿になることが濃厚となっており、忘れられない1日になりそうだ。
(どら増田)