伏見は今シーズン、捕手として76試合に出場。主に宮城大弥、山崎福也、田嶋大樹といったレフティーズ(左腕組)のパートナーを務めることが多く、出場の有無にかかわらず、ベンチでは声を張り上げ、ムードメーカーとしての役割も担って来ており、特に2年連続二桁勝利を収めた宮城からの信頼は厚い。
推定年俸から見れば、人的補償が発生しないCランクと思われるだけに、伏見の地元で来シーズンから新球場へ移転する北海道日本ハムファイターズや、東海大時代にはバッテリーを組んだ先輩の菅野智之、そして東海大の大先輩、原辰徳監督がいる読売ジャイアンツらが本格的な調査を進めると思われる。もちろん連覇、日本一を達成した功労者の1人として、オリックスも誠意ある対応をするはずで、争奪戦に発展するのは必至だ。
伏見は球団を通じて「この度、FA権を行使させていただくこととなりました。プロ入りから10年間育てていただき、お世話になったオリックス球団、バッテリーを組んできた投手たち、チームメイトにはもちろん愛着があるので、本当に悩みました」と苦悩の決断だったことを明らかにした上で、「限られた時間の中で、色々なタイミングが重なり、権利を行使することに決めました。今後については、球団の方とも話をさせていただきながら、自分のことを評価してくださるチームがあるのなら、そういった話も聞かせていただきたいと考えています」と宣言を行使した理由を説明。
オリックスではファンからも絶大な人気を誇っていた選手なだけに、衝撃も大きいが、「ここまで支えてくださった方々、そしてファンの皆様が、どんな状況でも温かく応援してくださったお陰で、この権利を取得することができたと思っています」とファンに対しては感謝の意を口にしている。
伏見は2012年にドラフト3位でオリックスに入団。打てる捕手として、シーズン中はもちろん、日本シリーズでもチャンス強さを発揮。FA資格を取得した今後の去就が注目されていた。
(どら増田)