当初、武藤は福岡大会では試合の予定がなく、サイン会などに参加することで、福岡の武藤ファンに別れの挨拶とする予定だったが、武藤の現役最後の勇姿を福岡のリング上でも観たいという、福岡のファンの熱い要望が数多く寄せられたことを受けたことに加えて、ノアでの清宮海斗戦や、新日本プロレス在籍時代の天龍源一郎戦など、多くの名勝負が生まれた福岡の地でも引退ロードを行いたいという武藤本人の思いもあり、急遽試合への出場が決定したという。
対戦カードは、6人タッグマッチ、PRO-WRESTLING LOVE FOREVER. EX FUKUOKA FINAL〜TRANS MAGIC〜のタイトルが付けられて、武藤敬司&小島聡&ニンジャ・マックと、丸藤正道&ジャック・モリス&HAYATAが対戦する。武藤と小島は新日本プロレス時代から師弟関係にあり、武藤が全日本プロレスに移籍する際には、行動を共にしている。小島は「10月16日の福岡大会で、武藤さんとタッグを組める。『引退を発表した武藤さんと絡む』事が、とてつもなく貴重な出来事になると確信している。これが武藤さんと関わる最後かもしれないし、またあるかは分からないけど、福岡で武藤敬司を体感できる幸せを噛み締めようと思います」と引退前の武藤と絡めることを喜んでいるようだ。
ニンジャ・マックはノアで人気急上昇中のジュニア戦士なだけに、かつて武藤も使っていたような躍動感のあるトリッキーな動きで、武藤をサポートする。また、対角線上には武藤とはタッグを結成したり、GHCヘビー級王座を奪取したりした丸藤が立つことになった。武藤と丸藤が闘うのもこれが最後になるかもしれない。
武藤の試合を見られる機会が限られて来ているだけに、福岡のファンにとっては堪らないプレゼントである。
(どら増田 / 写真©︎NOAH)