2020年に首位打者のタイトルをゲットしているが、今シーズンは最多安打のタイトルに手が届くところまできている。佐野はトップのドラゴンズ・岡林勇希とタイガース・中野拓夢の155にわずか1本差に迫る154本と肉薄。3位タイにはタイガースの近本光司も並んでいるが、ドラゴンズは残り試合3、タイガース1に対し、ベイスターズは5と優位な状況で、佐野の逆転の可能性は高くなってきている。
今シーズンの佐野の貢献度はチームでもトップクラスだった。2020年からキャプテンとしてチームを鼓舞し続け、今シーズンも打率は3割超え。ここまでホームランはキャリアハイの21本を放ち、打点70も昨年キャリアハイをマークした72まであと2つと迫っている。5月6日から20日まで背中の張りのためファーム調整していたことを加味すると、これらの数字はすべて過去の数字を凌駕した可能性も高い。
またコロナやけがの影響もありベストメンバーが組めない中、本業のレフトだけでなくファーストにもチャレンジしていたことが功を奏し、手薄な内野を埋める働きを見せた。交流戦では桑原将志の不調と出塁率の高さも相まって、トップバッターの座を務め結果を残すなど、マルチタスクを高レベルでこなしてみせた。
三浦大輔監督も「佐野にはチーム事情で内野、外野を守ってもらったり、打順も1番打ってもらったりを、本当に文句一つ言わずにそのポジションポジションで常に全力を出して、難しいところでもやってくれています」と最大限の敬意を払い「全てにおいてキャプテンとしてよくやってくれています」と、前任の筒香嘉智から引き継いだリーダーシップにも太鼓判を押していた。
佐野キャプテンが誕生してから初のCS進出を果たしたベイスターズ。ファーストステージを突破し、王者・スワローズを撃破するためにも、佐野には最多安打のタイトル奪取でチームに勢いをつけたいところだ。
取材・文・写真/ 萩原孝弘