これを受けて同日19時から都内で、実行委員会の榊原信行氏、K-1プロデューサーの中村拓己氏、RISE代表の伊藤隆氏の3名が出席する形で緊急会見が開かれた。榊原氏によると、この日の午前に「フジテレビ側から放送中止に関する内容証明郵便を送るとの連絡があった」そうで、「説明する時間をいただきたいと伝えましたが、問答無用で15分か20分後にホームページ、Twitterに(放送中止のお知らせが)上がりました。あまりにもひどすぎないですか?4月の末の(金光修社長の)定例会見では、媒体価値が上がるとまで言ったイベントから撤退するなら、もう少し丁寧にやっていただきたかった。憤りを覚えますが、フジテレビさんには事情があるんでしょう」と混乱が収まらない様子。
「もう1回フジテレビさん戻って来てほしいと思っています。僕らが抜けることが条件なら抜けます。選手は地上波で流れることを期待します。形を変えればいいじゃないですか。フジテレビが納得する形にいくらでも変えますよ。それだったらやってくれると信じています」と榊原氏は自身が実行委員から抜けることで地上波中継が復活するなら、それでも構わないとまで口にしている。一部週刊誌による榊原氏の黒い交際疑惑もフジが撤退した理由とされているが、榊原氏は自身の潔白を主張した上で、「その報道の影響はあったと思う」と話した。榊原氏は2006年にも、週刊誌による黒い交際報道により、当時絶大な人気を誇っていたPRIDEを中継していたフジが契約を解除する“フジテレビショック”を経験しているだけに、「2015年にRIZINを旗揚げして格闘技界に戻ってきた時、コンプライアンス委員会を作り徹底してきた」と言うが、旧態依然のメディア界に対して苦言を呈した場面もあった。
「RIZINの中継にも影響を与えると思う」とRIZINのCEOとしての見解を示した榊原氏だが、地上波中継を失い崩壊したPRIDEの時代とは違って、地上波がなくてもRIZINは存続可能との認識も明らかにしている。ただ、今大会は、子どもたちに見やすい環境を作りたいという天心と武尊の強い思いもあったことから、このままPPVのみの中継となると、子どもたちにとってはハードルが高くなるのは否めないだろう。
大会は予定通り開催され、チケットは完売状態なだけに「せめてメインだけでも…」、そう願う格闘技関係者は少なくない。
(どら増田)