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最下位続く阪神、交流戦で大浮上する? 矢野監督に求められる選手起用のバランスとは

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矢野燿大監督

 阪神が交流戦で浮上してくる――。水面下で、そんな情報も駆け巡っている。

 「交流戦で勢いづくチームもあれば、失速するチームもあります。昨季はオリックスが交流戦で優勝し(12勝5敗1分)、その勢いで優勝しました」(在阪メディア)

 2位は、11勝7敗の阪神。ペナントレースの順位はまだ最下位だが、ペナントレース序盤戦でのドロ沼状態からも抜け出したのは本当だ。

 「パ・リーグは好投手が多い。でも、阪神には佐藤輝明など、力勝負を挑まれても負けないバッターも多いんです」(球界関係者)

 >>阪神・矢野監督の試合後コメントに「責める相手が違う」と指摘 敗戦投手に苦言も、本当の“戦犯”と問題視される選手は<<

 5月18日のヤクルト戦、「浮上説」はマンザラでもないと思わせるような展開となった。

 「初回、マルテのホームランで先制しました。試合序盤で『6対0』、阪神のワンサイド・ゲームとなりました」(前出・在阪メディア)

 注目すべきは、佐藤、大山悠輔にも一発が出たこと。3番マルテ、4番佐藤、5番大山のクリーンアップで5打点を挙げており、このまま調子を上げていけば、パ・リーグの好投手とも互角以上に戦えるだろう。

 「パ・リーグの主催ゲームは指名打者制になります。ベテランの糸井嘉男もスタメンに名を連ねてくるでしょう」(前出・同)

 しかし、カギを握るのは矢野燿大監督となりそうだ。

 交流戦は5月24日に開幕する。通常ペナントレース同様、月曜日が「試合ナシの移動日」となるが、20日間で18試合を消化させなければならない。だが、屋外の球場もある。そのため、月曜日は雨天中止になった場合の「予備の試合日程」も組み込まれている。交流戦中の月曜日は、2日。阪神はその2日とも「予備試合」となっているのだ。

 予備試合の変則日程となれば、投手陣への負担は計り知れない。

 「雨天中止で先発投手の登板日程が変わるのは、プロ野球の世界では当たり前。でも、救援投手は違います。予備日の影響で連投を強いられるリリーバーも出てきそう」(プロ野球解説者)

 交流戦の期間中だけ、先発投手を救援に回す選択もあるが、ベンチ入りする野手を減らして投手を増員するやり方もある。

 「阪神は代打層が厚くありません」(前出・同)

 矢野監督はベンチ入りメンバーの投手、野手の人数配分に苦慮しなければならない。また、先発投手を交代させるタイミングも難しくなる。救援陣の負担を考えれば、先発投手には「1イニングでも長く」と考えるものだが、交代のタイミングを見誤れば大量失点となるのは必至。勝敗は矢野監督の采配次第だろう。

 18日のヤクルト戦では、投手の西純矢がプロ初完投勝利を収め、プロ初本塁打というオマケもついた。「西を二刀流で?」の質問に、矢野監督は「あるわけないやん」と笑い返していた。笑顔を見せたのは久しぶりだが、正捕手・梅野隆太郎が右脇腹の筋挫傷で登録を抹消された。

 “浮上のチャンス”なのに、ベストメンバーで戦えそうにない。交流戦が終わった時、矢野監督はまた笑顔を見せてくれるのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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