藤田は昨年10月4日に楽天から来季の契約を結ばないと伝えられ、他球団での現役続行を模索していた最中に「引退か他のチームでやるのか分からない中でも、2022年も自主トレを一緒にやらせてと11月から言ってもらった」と“チーム藤田”の結束を表すようなエピソードを披露。「もう一回プレーヤーとしてできていることをうれしく思う」と笑顔を見せ「この自主トレでやったことを横浜で楽天の選手に見せないといけない気持ちになってきました。いい結果で応えたいなと思います。楽天のメンバーの活躍も楽しみです」と目を細めていた。
今までもレギュラー争いを繰り広げていた若いライバル選手にも「質問されたら答えますよ」と自らが積み上げてきた経験と技術を惜しみなくレクチャーし、チームの底上げに尽力してきたことは有名。ベイスターズの若手選手にも無形の財産を伝える役目にも期待されている。
また一緒にプレーしていた三浦大輔監督を筆頭に、コーチ陣も下園辰哉、田代富雄に続いて今シーズンから斎藤隆、石井琢朗、鈴木尚典、相川亮二らが集結。気心の知れた首脳陣と、若い選手たちとのパイプ役としても貴重な存在となりうるだろう。
もちろん「勝負する気持ちはある」と現役選手としてポジションを奪いにいく姿勢は不変。「一年間一軍で100試合以上出られたら」2022年シーズンのターゲットを定めた藤田一也は、ずば抜けた求心力を武器にベイスターズに足らなかったパーツを埋めていく。
取材・文・写真 / 萩原孝弘