九州・佐賀県出身で、ソフトバンクの松田宣浩と自主トレするのが恒例行事。昨年はセ・リーグの右打者では最高の打率.301をマークしながらも、昨年の契約更改は単年契約にとどまっていた。さらに金額面でも前年の1億6000万円(推定)から「同じくらいです」と微増程度が予想されていた。
DeNAの「マネーゲームはしない」との方針もあり、2016年のオフに山口俊が、昨年は梶谷隆幸と井納翔一が相次いでジャイアンツに移籍。TBS時代から内川聖一、村田修一らの主力がベイスターズを去っていくことを経験しているファンは、希少な強打の右打者・宮崎が権利を行使すれば好条件での争奪戦が予想されていただけに、半ば移籍も覚悟していた節さえあった。
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しかし球団も権利を取得した6月には残留に向けた交渉をスタート。宮崎も「あったりなかったり」と正直に迷いもあったと明かしたが「心が決まったのはホーム最終戦の後。最後にグラウンドを1周したとき」にファンの気持ちを再確認。28日には「このチームで、横浜DeNAベイスターズで優勝したいです」と球団に伝え、6年の大型契約で“永遠ハマのプーさん”が確定した。
2017年は打率.323で首位打者とゴールデングラブを獲得。3割超えは今年で2年連続4回目で、2ケタホームランは6年連続をマーク。サードの守備も安定しており、昨年の左打ちの外野手の梶谷、先発の井納と比べると“代えのきかない”存在だけに、球団も引き留めに最大限の誠意を見せた。
ファンも「横浜DeNAベイスターズが好きですし、熱狂的な熱いファンの皆さまの前でプレーできるのはすごいうれしい。やっぱりファンの皆さまと一緒に、勝って喜びを分かち合いたいのが一番です」とストレートな言葉に悶絶。三浦大輔現監督もFA行使をするか迷っていた際、ファン感謝デーでファンの三浦コールに感化されて残留を決めた経緯と重なり、SNSではその男気に感激する声であふれた。
横浜を愛する監督と選手がいてくれてこそ、ファンもいっそう応援に力が入るもの。三浦監督の掲げる“横浜一心”のスローガンが、より輝いてきた。
取材・文・写真 / 萩原孝弘