>>巨人・小林、4年契約公表に驚きの声「だからトレードされなかったんだな」 成績微妙でも球団に厚遇されたワケは<<
勝俣は東海大菅生高校の出身で、大学も東海大グループの国際武道大学だ。東海大学と言えば、原辰徳監督の母校。「再起をめざす後輩のために」の流れだとしても、不快に感じるファンはいない。ファンに長く愛された左打ちのスラッガー・亀井善行(22年よりコーチ)が引退し、その後継者を望んでいるからだ。
「勝俣も長打力のある左バッターです。オリックスではチャンスがありませんでしたが」(スポーツ紙記者)
しかし、「勝俣獲得へ」の一報が飛び込んできたのと同時に聞こえてきたのが、東海大相模高校卒の大田泰示外野手を惜しむ声。右打ちの大田はDeNA入団が決定した。
「右バッターが来季のキーマンになるのではないか?」
そんな予測がセ・リーグ各球団から出ているのだ。右打者がキーマンに――。理由は、簡単だ。セ・リーグ6球団とも、左の好先発投手を抱えているからだ。
ヤクルト・高橋奎二、石川雅規、阪神・高橋遥人、巨人・高橋優貴、メルセデス、広島・床田寛樹、玉村昇悟、中日・大野雄大、小笠原慎之介、DeNA・今永昇太、濱口遥大…。ここに、広島のドラフト1位・黒原拓未(関西学院大)、ヤクルト1位・山下輝(法政大)、巨人2位・山田龍聖(JR東日本)らも加わってくるだろう。また、阪神の左のリリーバー、及川雅貴も先発ローテーション入りに向けて調整を始めている。
「左投手に対し、左バッターを代打起用することは考えにくい。大田なら外野のレギュラー争いに加わってくるでしょうし、右の代打としても使えます」(球界関係者)
巨人には坂本勇人、岡本和真、中田翔がいて、ウィーラー、中島宏之も控えている。原監督は右打ちの好スラッガーは揃っていると判断したのか、前日本ハムの左バッター・西川遥輝も「調査中」だという。
ポスト亀井は必要だ。しかし、右打ちの強打者を積極的に補強しないのは、「左の好先発投手」が増えたリーグ事情に逆行しているようにも見えるが…。
「勝俣は高校時代、U-18大会に出場し、外野手でベストナインにも選ばれています。内野手ではなく、外野手で再スタートを切るのでは」(前出・同)
勝俣は大学4年時、右手有鉤骨を骨折している。当時を知る大学関係者によれば、骨折を隠して試合に出ていたという。手術後も「抜糸したから大丈夫」と出場を志願し、そのド根性に周囲がブレーキをかけていたそうだ。
丸佳浩、松原聖弥、梶谷隆幸。「外野手が3人とも左打ち」なんて日も見られそうだ。(スポーツライター・飯山満)