>>阪神・矢野監督の采配に反発の声「褒められたものでは無い」 勝負どころの強攻策が物議、実績無い選手を信用したワケは<<
今回の動画で田尾氏は、同日に行われ阪神が「0-0」で引き分けたヤクルト戦について解説。その中で、矢野監督が5回裏に見せた采配を問題視した。
5回裏の阪神は糸原健斗、大山悠輔の連打で無死一、二塁とチャンスを作ったが、この場面で矢野監督は打席の小野寺暖に、バントの構えからヒッティングに切り替えてスイングさせる、いわゆるバスターを指示。しかし、小野寺はヤクルト先発・高橋奎二が投じた初球147キロストレートを打つも右飛に倒れてしまった。
裏目の出た矢野監督のバスター指示について、田尾氏は「やるならしっかりバントをしたら良かったと思うし、やらないなら小野寺に託す。どちらかだったと思う。ちょっと中途半端な策をやってしまったという気がした。これは非常に残念」と発言。走者を進めて1点をもぎ取りたいのか、それとも大量得点を狙いたいのか意図がはっきりしない采配に見えたと苦言を呈した。
田尾氏は続けて、「僕はここは送りバントで1死二、三塁の場面と作るというのが一番いい作戦じゃないのかなと思っていた。相手には非常にプレッシャーになりますし」とコメント。この場面は送りバントで1死二、三塁として、スクイズや暴投などでの得点を狙いやすい状況を作りにいく方がよかったのではと自身の見解を述べた。
阪神は1死一、二塁となった後、後続の坂本誠志郎(二ゴロ)、ガンケル(空三振)がそれぞれ凡退し5回裏を無得点で終了。その後も得点を挙げられないまま引き分けたが、田尾氏は「無死一、二塁のチャンスをモノにできなかった。このへんがちょっと大きかったなと思った」と、矢野監督の作戦ミスはその後の試合にも響いたと語った。
田尾氏の発言を受け、ネット上には「スクイズ、犠牲フライ、暴投と色んな点の取り方ができるし、自分もここは絶対送りバントだろと思った」、「打率1割台(.182)の小野寺にバスターさせたのは理解できない、普段打ってない打者に小技要求してもしょうがないだろ」、「この試合最大のチャンスをあんな策でフイにしたのは本当に腹立つ」と同調する声が寄せられている。
一方、「結果は失敗だったけど、ここまでの状況を考えた上での精一杯の采配だったのでは」、「小野寺のデータを踏まえて、バントよりはバスターの方がまだ成功確率高いって判断したんじゃないか」、「後続打者はバッテリーコンビで代打出すわけにはいかない、だからその前の小野寺で勝負仕掛けたんじゃないか」と、采配の意図を推測するコメントも複数挙がった。
「5回裏無死一、二塁はガンケル、高橋の両先発が共に無失点と投手戦を展開している中で迎えた場面。作戦としては1点をもぎ取るために、送りバントで走者を進めることがセオリーでした。その状況で矢野監督はセオリー外のバスターを選択し、それが裏目に出たことで多くのファンから批判を集める結果となっています。矢野監督が小野寺にバスターを指示した理由は不明ですが、一部ファンの間では小野寺が今季バントを3度試み全て失敗していること、後続打者がここまでヤクルト打線を封じている坂本、ガンケルのバッテリーで代打攻勢も仕掛けにくい状況だったことなどが背景にあるのではという意見も見られます。小野寺が今季バントを決めていないことは当然ヤクルト側も把握していたと思われますので、矢野監督は単にバントさせるよりはバスターで打球を転がさせる方が進塁打になる可能性が高く、あわよくばタイムリーも見込めると考えたのかもしれません」(野球ライター)
試合後のインタビューではバスター指示について「自分たちがしっかり点を取ろうという中でやったこと」と口にしつつも、決断の経緯や背景には触れなかった矢野監督。ファンの間で物議を醸す奇策の真意は一体どのようなものだったのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
田尾安志氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCujKx9MOD0zja02WXkDAwwA