ペナントレースは「残り17試合」、首位・東京ヤクルトは3位・巨人との3連戦を迎える。巨人が最後の抵抗を見せ、“星の潰し合い”となる可能性もあるだけに、1.0ゲーム差で追う2位・阪神が首位奪還となるのでは…。10月5日から始まるDeNAとの3連戦を前にそんな予想も多く聞かれた。
しかし、この時期は「来季」に向けて、方向性を示しておかなければならないこともある。外国人選手との契約だ。
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「どの球団もそうですが、残留してもらいたい優良外国人選手にはその旨を伝え、条件などの下交渉をします。阪神はどうするんですかね?」(ライバル球団スタッフ)
阪神は大量8人の外国人体制でシーズンを戦ってきた。
その8人体制は、コロナ禍を見据えての措置だった。通常の「一軍登録4人、試合出場4人」という外国人選手枠が「登録5人、試合出場4人」に拡大された。しかし、緊急事態宣言の解除を受けて、「来季はどうするんだ? 通常ルールに戻すのか、それとも、有事に備えて『登録5人体制』のままにするのか。早く決めてくれないと…」(前出・同)
と、残留交渉を遅延させているのだ。
「阪神は外国人選手への依存度が高いチームです。4番、エース、クローザーがチームの中核なら、阪神は必ずその一つを外国人選手に委ね、金本時代は3つとも外国人選手に託していました。今年の快進撃も、クローザーのスアレス、大砲のサンズ、マルテの活躍があってこそ」(プロ野球解説者)
チェン・ウェイン、エドワーズ、アルカンタラ、ガンケル、スアレス、マルテ、メル・ロハス・ジュニア、サンズ。一軍成績だけで判断すれば、クローザーのスアレス、野手ではマルテ、サンズの2人は残ってほしいだろう。
「ガンケルは先発で結果を出しています。アルカンタラもチーム事情で中継ぎに転向し、試合出場枠の関係で二軍降格となった時期もありましたが、一軍で固定してやれば結果を残せそう」(前出・同)
近年の阪神は外国人選手に泣かされることも多かった。4番を予定していた新外国人選手が機能せず、シーズン途中で緊急獲得した外国人選手も調査レポートとは違っていたなんてこともあった。「コロナ禍で出場枠が増えるのなら、最初から大量獲得しよう」と方向転換し、好成績にもつながったわけだが、「来季は通常の4人登録に戻るのではないか?」と予想する声も多く聞かれた。
「今のところ、スアレスに対しても『残ってほしい』と気持ちを伝えた以外は何も進展していないようです。大山悠輔、佐藤輝明の打撃成績が安定しないので、サンズ、マルテ、ロハス・ジュニアも残すべきでしょう。ただ、一軍登録枠の問題で待機組に回され、不安定な立ち位置にあることに不満を持っている外国人選手もいるみたいです」(球界関係者)
シーズン序盤はコロナ禍で来日が大幅に遅延し、ベストメンバーを組めずに苦しんだチームもあった。しかし、「残留交渉が進んでいない」という情報が気になる。DeNA3連戦では取りこぼしが許されない。トラの助っ人たちのモチベーションは大丈夫か? (スポーツライター・飯山満)