中居といえば、元SMAPメンバーの香取慎吾いわく「準備の男」。今年4月に放送された「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)2時間スペシャルで、モーニング娘。'21とOGが集結した際、およそ11年前に「うたばん」(同)の司会を一緒にしていたとんねるず・石橋貴明がサプライズ乱入すると、その場で手渡された台本を手にして、「初見でやるの、嫌なんですけど」と漏らしている。この発言からも、いかに台本を読み込むタイプであるかがうかがい知れる。
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語り草となっているのは、「NHK紅白歌合戦」(NHK総合ほか)。史上最年少の25歳で白組司会を務め、白組を5回、紅組を1回、男性タレントで唯一紅白両方の司会を経験した。たった1度の紅組司会は、30年来の親友である笑福亭鶴瓶が白組司会を担当した07年。ブ厚い台本を完ぺきに頭に入れて、本番に臨んだ。反して鶴瓶は、すべてアドリブで乗り切ると宣言。自分の出番になると中居から合図され、生放送のすべてをぶっつけ本番、ノーミスで終えている。
中居は暗記する際、ノートに書き留めるアナログ人間だ。体得したのはジャニーズJr.時代の16歳。その物的証拠を発見したのは当時、東京・原宿にあった合宿所で共同生活を送っていた城島茂(TOKIO)。中居が体調を壊して病院に運ばれたある日、積み重ねられたノートから1冊を抜き取って、盗み読みした。そこには、MCや演出のことがビッシリ書かれていた。後日、理由を問うと「歌うまくないから、トークくらいはうまくなりたい」と返ってきた。城島は2歳年下の中居に敬服した。
そのおよそ5年後、中居と香取は昼の生放送バラエティ番組「笑っていいとも!」(フジテレビ系)の曜日レギュラーに選出された。まだ高校生だった香取のために、ノートで架空の台本を作り、総合司会のタモリとの会話をシミュレーション。週に一度の生放送で爪痕を残そうと必死だったが、並み居るお笑い芸人のスピードに追い付くことで精いっぱい。番組終了後はきまって、香取と肩を落としていた。
習癖になっているのか、プライベートでもノートへの記述を続けている。鑑賞した韓国映画の感想や採点をつけているのだ。
「映画館での鑑賞より、もっぱら円盤を購入する。未視聴作も多いそうで、自宅マンションのラックは1、2段目が視聴済み、4段目はこれから観る作品と分けているそう。マメな性格が表れています」(エンターテインメントマガジンの編集長)
現在は、事前収録ながらもニュース&情報番組「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)でメインMCを務めている。準備万端がモットーの中居のこと。必携している数冊のノートには、予習の痕跡であふれているに違いない。
(伊藤由華)