劇的勝利で波に乗り、99%が本拠地のタイガースファンが占める甲子園...不安要素たっぷりの2戦目で「逆にモチベーションになった」と先発左腕・坂本裕哉が燃えた。鋭く落ちるチェンジアップと、右バッターのインコースを強気に攻めるクロスファイヤーで、自己最長となる7回を1失点。4月23日に泥沼の10連敗でもがき苦しんでいたチームを救う快投を見せた甲子園で、再び流れを変える大きな勝利を手に入れる立役者となった。
3戦目は復活の絶対エース・今永昇太がマウンドへ。日頃からアドバイスを送る後輩の坂本に続くべく、持ち味の強いストレートと、スライダー&チェンジアップのコンビネーションでタイガース打線を翻弄。牽制でランナーを刺すなど冷静な面も持ち合わせた貫禄のピッチングで、7回1失点10奪三振と圧倒した。
8回にセットアッパー・山崎康晃が2失点し、4-3と追い上げられた場面で13日に今シーズン初めてベンチを外れた三嶋が満を持して登場。独特の雰囲気の中、いつもに増して気合十分のストッパーは、フォアボールで一人ランナーを許したものの、この日ホームランを放ち、12日にもタイムリーを浴びているイヤな近本光司に対し、一昨日打たれた同じフォークボールで勝負。打球は力ないショートフライとなり、見事にリベンジを果たすことに成功した。
嫌なムードを払拭した坂本に、さすがのピッチングで圧倒した今永。両左腕のバトンをフィニッシュへとつなげた三嶋。3人の福岡っ子の絆で前半戦を連勝で終えることができたベイスターズは、スッキリとオリンピックの中断期間に入り後半戦スタートの8月14日を見据える。
写真・取材・文 / 萩原孝弘