「ハバナ症候群」は2016年後半から2017年にキューバのハバナで、アメリカとカナダの大使館職員らが奇妙な音を耳にしたと同時に頭痛や目まい、吐き気に襲われる症状が発生したことから名付けられた。この時「ハバナ症候群」の症状が、ある種の衝撃波やマイクロ波を受けたときの症状に似ていたため、何らかのマイクロ波を放射する武器が用いられていたのではないか、という説が出てきていた。
当時のトランプ政権はアメリカの外交官が標的にされたとしてキューバ側を非難、職員の帰国とキューバへの渡航警告を出すなどの対応に出たため、アメリカとキューバの関係が悪化することとなった。
その翌年、2018年にも中国に滞在していた外交官やその家族が同様の症状に襲われた。当時CIA長官だったマイク・ポンペオ氏も「ハバナ症候群と非常に類似している」事実を認め、職員と家族を中国から撤退させ、後に「健康事故」扱いになっていた。
しかしさらに翌年の2019年、オーストラリアを訪れていたアメリカの複数のCIA職員が、ホテル滞在中にハバナ症候群と思われる奇妙な体調不良を起こす事態が発生。そして今年に入ってから、なんとホワイトハウス周辺でもハバナ症候群らしき症状を訴える職員が出てきたのだ。今年は2例確認されており、1件はホワイトハウスの南側にある楕円形の芝生の付近で「狙われた」という。これは国家安全保障会議の職員を標的としたものとみられている。昨年11月には別のホワイトハウスの職員がバージニア郊外で標的にされたと伝えられている。
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前述の通りマイクロ波を放射する武器の影響を受けたという説があるが、実物は確認されておらず、またその背後にいる存在の有無も分からず論争の的となっている。2019年の事例ではホテルの部屋の近くでモスクワの連邦保安局(FSB)のエージェントがいたと確認されたという報告がなされた。
さらに2人の職員が後に台湾に旅行に行ったとき、同じ事態が再び発生したとも言われているため、オーストラリア戦略政策研究所のピーター・ジェニングス氏は「これまで『ハバナ症候群』と言われていたものはロシアの諜報活動によるものである可能性が最も高い」と述べていた。だが、今も結論は出ておらず、アメリカの政府当局者らはこの問題が長年進展を見せていないことに不満を表明しているという。
政府やCIAは継続して調査する予定だというが、真相が明らかになる日は来るのだろうか。
参考記事
CIA agents attacked by 'microwave weapon'(unexplained-mysteries.com)
https://www.unexplained-mysteries.com/news/340381/cia-agents-attacked-by-microwave-weapon
'Directed energy attack' hits White House staff
https://www.unexplained-mysteries.com/news/346575/directed-energy-attack-hits-white-house-staff