男は2月18日、北九州市の24時間営業しているスーパーマーケットに酒に酔って入店すると、店員に対し「うんこがしたいんや」と叫ぶ。この店では防犯のため深夜時間帯はトイレを貸していないそうで、その旨を告げると男は「ここでする」と叫び、下半身を露出したうえ大便をした。この後、駆けつけた警察官が公然わいせつ罪で逮捕。さらに清掃作業を余儀なくして業務を妨害したとして、威力業務妨害罪でも起訴された。
裁判では、男がアルコール依存症になり、1月に父親を亡くして自暴自棄になっていたことが発覚。男は「人間のやる行為ではないとつくづく思った」「飲酒をやめる」などと話し、アルコール依存症治療を行う意向を表明した。
21日の判決で、裁判官は「恥ずかしい行為をストッパーとして飲酒をやめてください」「亡くなった親に恥ずかしくないよう、一から頑張ってください」と述べ、罰金30万円を言い渡した。
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この判決に、「甘すぎる。酒なんかやめられるわけないし、甘い処分がまた犯罪を誘発する」「アルコールは麻薬や覚醒剤よりも甚大な被害を出しているのに、こんな大甘判決か。呆れた」「司法がおかしい」と怒りの声が上がる。一方で、「妥当な判決」「予後も考えていて、偉い」という擁護もあった。
「アルコール依存症はほぼ不治の病と言っていい。専門治療を行う病院も結局は飲まないよう指導するのみで、本人に治す意思がないと、受け入れてくれません。また、仮に治療の意思があったとしても、一口飲んでしまえば、一気に逆戻りになる。蟻地獄のような病気です」(アルコール依存症に詳しいライター)
極めて恥ずかしい罪を犯し、アルコール依存症の回復を誓った男。その道のりは極めて険しい。