中でも驚いてしまうのが、教師による教師へのハラスメント。子どもに常識を教える立場の人間が、著しく常識から外れた行動を取っているのは驚きだ。
2019年には、大阪府南部の府立特別支援学校に勤務する30代の男性教諭が、58歳の女性教諭に注意されたことに腹を立て、「お前もそこらへんのおばさんと一緒やったのう。見ててムカムカする。さっさと消えろ」と怒鳴る、多数の教員の前で「恥をかかせた」と罵倒し、謝罪を要求するなどして、休職に追い込む事案が発生している。この男性教諭は他の教諭にも机を蹴る、扇風機を壊すなどの行為をしたが、懲戒処分は受けていないと言う。女性教諭は大阪府に慰謝料請求の訴訟を起こした。
同じく、大阪府堺市では2021年2月、市立小学校に勤務する51歳の女性教頭が、児童に「一番暇な先生は誰?」と休み時間中の児童に聴き、教職員の忘年会でクイズとして出題し、さらに職員室に居づらくなるよう怒鳴るなどの嫌がらせも行っていたとして、戒告の懲戒処分を受けた。
同月には、兵庫県でも阪神地区の50代男性教諭が、赴任したばかりの女性職員が妊娠したことに憤り、「何しにこの学校に来たんや」と発言。また出産を控えた際には腹を触り、さらに女性が産休・育休から復職した際にも「お腹はもとに戻ったか」と発言して腹を触ったとして、停職1か月の懲戒処分を受けた。
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そして、栃木県でも2021年3月、県南地区の小学校に勤務する29歳の男性教諭が、同僚の女性教職員に抱きつく、SNS上で関係を迫るメッセージを送信するなどしていた。その後、別の女性教職員にも体を触るなどしたことも発覚。3月18日付で停職4か月の懲戒処分を受けたことが判明した。
いずれのケースも、著しくモラルを欠いた行為と言わざるを得ないが、処分は免職に至らず、時が経てば復帰できるものとなっている。常識やモラルのない人間が教鞭をとることは、教育に悪影響を及ぼすこともありうるだけに、処分が軽いという批判が常にある状況だ。
真面目に勤務する教師が多数だとは思われるが、ハラスメントをする人間もいる。子どもへの影響を考えれば厳しい処分をするシステムがあっても、いいのではないだろうか。