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イベントでは同社・臼井朋貴社長と藤川氏が、資産運用術や藤川氏が抱くお金の疑問、さらには今季のプロ野球について対談形式でトークを展開。その中で、臼井社長が最も印象に残っている藤川氏のプレーとして“10連投10連勝”を挙げ、藤川氏は当時の心境や苦労を語った。
当時プロ9年目・27歳だった2007年8月30日~9月9日にかけ、抑えとして10試合連続登板しチームを10連勝に導いた藤川氏。「僕のキャリアの中でも、一番印象に残ってるのはそこ(10連投10連勝)」だというが、この期間は相当な疲労感と戦っていたという。
藤川氏によると、序盤の3、4連投は抑えとしては当たり前の連投数のため特に何も思わなかったとのこと。ただ、6連投を超えたあたりから心身両面で強く疲労を感じるようになり、その影響で試合前練習も満足にこなせなかったという。
また、藤川氏は「(自分の登板日は)皆さん(にとって)は見えてる時間が10分ぐらいですけど、実際あの時間ってとんでもない集中力なので」と、マウンド上では自身にしか分からない重圧ものしかかっていたと告白。「最後の9、10連投目ぐらいはマウンドに上がった時にはもう大汗でしたからね。『またマウンドに立ってる…』(みたいな心境)」と、10連投終盤は投球前から一杯一杯の精神状態だったという。
プロ1年目の1999年から2004年ごろまでくすぶっていたこともあり、「呼ばれたら出たい」、「俺がどれだけできるかをみんなに見せてやるんだ」という気持ちは切らさなかったという藤川氏。ただ、10連投の過酷さは今も強く心に刻まれているようで、「(話しているうちに)急にあの時を思い出してちょっと疲れましたね。肩痛くなってきたな…」と冗談交じりに振り返っていた。
イベントでは今季の阪神の順位や注目選手についても話が及んだが、藤川氏は阪神SAという立場を理由としてどちらも具体的な発言は口にせず。ただ、「僕の注目は首脳陣、(矢野燿大)監督。監督の決断力と我慢する力(が今季を左右する)。矢野監督は(就任)3年目なので、集大成として育て上げた自分というものを見せてもらいたいなと思うところですね」と、矢野監督の采配がカギを握るシーズンになるのではとの見方を示していた。
また、MLB時代(2013-2015)からアメリカで資産運用を行っているという藤川氏は、日本でも本格的に資産運用を始めたいが詳しい方法が分からないと悩みも吐露。臼井社長に「日本で今から始めるならこれだというような、そういう商品というか方法を教えてもらいたい」と質問をぶつけアドバイスをもらっていた。
文 / 柴田雅人