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新型コロナウイルスのパンデミックで盛んになる陰謀論

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 201912月頃から中国の武漢市で発生し、世界中に広がっていった新型コロナウイルス感染症。昨年1年間は日本だけでなく世界中が感染症に振り回され、年が明けた現在はワクチン開発と接種が行われ始めているものの、いまだに収束していない。

 そんな新型コロナに関しては様々な陰謀論や都市伝説がささやかれてきた。いや、現在進行形といっても過言ではないだろう。

 ロンドン大学英国政治・政府センター所長であるロッド・ダコブ氏は、この陰謀論や都市伝説の急増を「パンデミックにおいて避けられない社会現象の一つ」であると述べる。陰謀論は間違った情報やデマとはまた異なり、世界中で起きている事象を理解しようとした結果生まれ、出てくるものであり、現代の民主主義社会における政治参加の方法の大きな変化の一部として考える必要があるという。

 歴史を振り返ってみても、大きな危機や社会の激変があった時に陰謀論が出回っている。過去にパンデミックを引き起こした黒死病や19世紀後半の「ロシアかぜ」、1918年のインフルエンザの流行などの際にも陰謀論は生まれていた。だが近年ではソーシャルメディアや情報発信サイトの出現により「信頼できる情報源と思われるものによって生成された(表面的には)もっともらしい情報」が迅速かつ広範囲に拡散されるようになった。また、誰もが情報に触れて拡散できる「参加型」の状況がさらに陰謀論の拡散につながるともダコム氏は述べている。

 >>新型コロナに効く「魔法の薬」や奇跡…世界中で起きている「奇跡」の狂想曲<<

 ここでは、確立された情報源によって生成されたデータや事実を受動的に受け入れるのではなく、ネットを通じて拡散された情報を自主的に「発見」することが奨励されており、第三者から直接提示された証拠は、どんなに説得力のあるものであっても受け入れられる可能性は低いばかりか、陰謀論の反証と見なされる可能性すらあるという。その結果、必然的に公的機関や科学的証拠に対して不信感が醸成されることになる。

 パンデミックが発生している現在、新型コロナに関する様々な陰謀論が世界中でささやかれているわけだが、陰謀論の流行はワクチンへの信頼を損ね、パンデミック収束をかえって妨げる可能性も考えられるという。陰謀論に対抗するにはSNSの規制もある程度は必要とのことだが、民主主義に不可欠な言論の自由を制限しない形で進めるのは難しい、とダコム氏は語っている。

 社会不安が大きくなった時に発生する陰謀論のコントロールは今後の課題となるのではないだろうか。

(山口敏太郎)

参考記事
Why are conspiracies thriving in the pandemic?
https://www.unexplained-mysteries.com/news/343533/why-are-conspiracies-thriving-in-the-pandemic

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