ニューヨーク・タイムズでは、2019年には不思議な現象に対する報告や相談が月に2〜5件もあればいい方だったのが、最近では報告が実に2倍近くになっていると指摘しているし、同じくアメリカのタブロイド紙であるサウスサイド・タイムズも同様の報告が増えていると記事にしている。
>>新型コロナのパンデミックで、「お化けを見る」人が増えている?<<
しかし、本当に霊現象が増加しているのだろうか。実はいずれのメディアも、「おそらく霊現象が増えたというのは本人の勘違いである可能性が高い」としている。
海外の超常現象研究家であり人気心霊番組のホストであるジョンE.L.テニー氏によれば、人々が外出自粛で家にいる時間が長くなったため、これまで留守にしていたときに起きていた様々な現象に遭遇する機会が増えたという。
また、新型コロナウイルス感染症からくる過度な警戒心、不安や、緊張状態が続いていることが、これまで気づかなかったささいな現象に過剰反応を示すようになった可能性が高いという。寄せられた霊体験に関する報告を見ていくと、いずれも自然現象や、ラップ音と勘違いしやすいウォーターハンマー現象などに過敏に反応していることが多いそうだ。
また、サウスサイド・タイムズ紙によると人が一番安心できる場所の自宅に「幽霊が出る」と一度思い込んでしまうと、その思い込みを崩すのが非常に困難になるという。特に今回は、新型コロナウイルス感染症に対する不安を抱え、自宅にこもることを選択している人が多いため、「逃げ出せない」と考えてしまい余計に不安が増幅されてしまい、なんでも幽霊や霊現象に結び付けてしまうのではないか、とのことだ。特に、親類や知人など身近な人に不幸があった人によくみられるという。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とは昔からよく言われていることだが、霊現象かと思ったら一度冷静になってみることは必要かもしれない。もちろん、それでも説明のつかない事例も報告されているのだから。
(山口敏太郎)