また、今月6日に連邦議会議事堂が襲撃されたこともあって、首都ワシントンD.Cに2万人規模の州兵が動員されるなど、全米規模でデモや暴動に備え厳戒態勢が敷かれていた。当日の式典はトランプ氏が欠席したが、歌手のレディー・ガガをはじめ多くの人が祝う様子が中継され、懸念されていた大きな衝突なども起きず、無事に終了となった。
だが、就任式典の後にとある噂がSNSを中心に流れた。それは「副大統領であるカマラ・ハリス氏の就任がとあるアニメによって予言されていた」というものだ。
そのアニメはアメリカの有名な長寿アニメ「シンプソンズ」。2000年に放送された「Bard To The Future (リサ大統領のホワイトハウス)」というエピソードで、シンプソン家の長女リサが大統領に就任する様子が描かれている。この時登場したリサの姿が、大統領就任式典でのカマラ・ハリス副大統領の格好とそっくりだというのだ。
>>2021年の世界はこうなる!? クレイグ・ハミルトン・パーカーの予言<<
リサは首に白い真珠のネックレスをし、紫色のパンツスーツをはいていた。ハリス副大統領の当日の格好と酷似している。さらに大統領だったトランプ氏からかなりの財政上の危機を受け継いだとこぼすシーンもあり、まるで政権交代を予言したかのような内容。ここから「シンプソンズの予言がまた的中した!」と話題になっているのだ。
「シンプソンズ」では過去に放映された内容が、後に現実でも起きるという事態がたびたび発生している。代表的なものが「トランプ大統領当選の予言」だ。トランプ前大統領はそれまで実業家として有名。創作の世界でも彼をモデルにしたコメディタッチの悪役が描かれることが多かったのだが、シンプソンズでは2000年にトランプ氏が大統領になる内容を放送。しかも、彼の独特な選挙運動の言葉を詳細に予言し、ロシアとの関連性を匂わせる表現もあった。
他にも2014年W杯でのドイツ優勝(ブラジルに勝利するところも一致していた)、エドワード・スノーデン氏が暴露したアメリカ国家安全保障局による個人情報の監視、エボラ出血熱の流行、またヒッグス粒子の発見なども的中させたとされる。
社会風刺的な内容のエピソードを作成したところ、偶然同じことが現実に起きてしまったと考えるべきなのかもしれないが、それにしても「シンプソンズの予言」の精度の高さは驚異的だ。今後はどんなエピソードが的中するのだろうか?
(山口敏太郎)