さて、「ベツレヘムの星」は天文学的に説明がつくのではないかということで、昔から多くの人々がその正体を推測してきた。たとえば超新星爆発や、「星が導いた」という描写から彗星だったのではないかなどの説が出ていたが、有名なのは17世紀にヨハネス・ケプラーが提唱した惑星会合説だ。
木星と土星の2つの惑星の公転周期が合致して、地球からの見かけ上非常に接近し、一つの大きな明るい星に見えたのではないかという説だ。紀元前7年11月12日午後6時から同9時半にかけて出現した事例や、紀元前2年6月にバビロンの西の空に金星と木星の接近が、同年8月の日の出前にベツレヘムで水星と金星、火星、木星の集合がそれぞれ目撃されたともされる。
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そんな「ベツレヘムの星」が12月21日に目撃された、として注目されている。21日から22日にかけて、木星と土星の公転軌道が見かけ上、交わる形で接近するため、非常に明るい一つの星として確認されることとなったのだ。なお、日本で木星と土星がこれだけ接近した状態で観測されるのは実に約397年ぶり。前回発生したのはなんと江戸時代である。また、これが欧米であった場合はさらに久しぶりで、約800年ぶりの大接近なのだとか。そのためキリスト教圏では、今回の惑星会合に様々な意味を見いだす人も出てきているそうだ。
(山口敏太郎)