第3、第4試合は遺恨闘争を繰り広げてきたテンコジタッグとユナイテッドエンパイアがシングル二番勝負で激突。まず第3試合では天山広吉がグレート-O-カーンと敗者モンゴリアンチョップ封印マッチを行った。両者は意地をむき出しにしてモンゴリアンチョップの応酬。終盤、天山はここ一番にしか出さないムーンサルトプレスを放つも、これをかわしたオーカーンは、王統流二段蹴りを炸裂。さらに1.5東京・TDCホール大会で天山を担架送りにした掟破りのTTDを繰り出すが、カウントは2。しかし、これを勝機と見たオーカーンはエリミネーターを決めてカウント3。天山を下しモンゴリアンチョップを死守。天山は自身の代名詞とも言えるモンゴリアンチョップを封印することに…。
会場のムードが暗くなっている中、第4試合は小島聡がノーDQマッチでウィル・オスプレイと激突。反則裁定なしの果し合いは、さまざまなアイテムが飛び交う大乱戦に。終盤、小島はコーナー上のオスプレイにラリアットを炸裂。オスプレイはエプロンと鉄柵に架けられたハシゴの上に吹っ飛ぶ。さらにイス上への垂直落下式ブレーンバスターでピンチに。だが、オスプレイはイス越しのヒドゥン・ブレイドを小島に食らわせると、最後は正調のヒドゥン・ブレイドからのストームブレイカーでカウント3。ハードコアでも強い小島をオスプレイが何とか跳ね返してユナイテッドエンパイアが2連勝している。
バックステージで、両手を左右に大きく広げたあとで後ろ手に組んだオーカーンは「ひれ伏せ、愚民ども。そして、天山。フタを開けてみりゃあよ、ここまでイラつかされると思わなかった。だがな、元IWGPチャンピオン、タッグの最多保持者(に勝って)、そしてモンゴリアンチョップを強奪できたのは、大きな収穫だ。ま、『さんざん馬鹿にしてきて、老兵に勝ってうれしいか?』と聞かれれば、うれしくなんかねえよ。当然だ。だがな、弱い者いじめは、楽しかったぜ!最高だよ。だから余の、また一方的な弱い者いじめになっちまうけど、また世間からの注目を集めたかったら、またみじめに『モーモーモーモー』鳴け。何度だって蹂躙してやる。蹂躙こそ、至福である。イハハハ。グハハハハハハ!」とご機嫌な表情で、この日のメインイベントで、NEVER無差別級王座を奪取した棚橋弘至を急襲し挑戦をアピール。
東京ドーム2連戦ではメンバー全員が連敗したユナイテッドエンパイアだが、テンコジとの抗争を経て、勢いを取り戻したようだ。
◆新日本プロレス◆
『THE NEW BEGINNING in NAGOYA』
2021年1月30日
愛知・愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)
観衆 2156人
▼敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ(時間無制限1本勝負)
●天山広吉(12分45秒 片エビ固め)グレート-O-カーン○
※エリミネーター
▼ノーDQマッチ(時間無制限1本勝負)
●小島聡(16分57秒 片エビ固め)ウィル・オスプレイ○
※ストームブレイカー
(どら増田)