男は昨年9月18日から10月29日にかけ、上野記念館に所蔵されていた掛け軸4幅を盗んだ。当時、記念館は休館中で改修工事が行われていたそうで、インターネット上に所蔵品が売られていることを担当者が発見したことから、事件が発覚したのだ。
警察が捜査を進めた結果、博物館に出入りしていた電気通信工事会社役員の52歳男が、盗んだうえインターネットサイトに出品した可能性が高まり、25日に逮捕。警察の取り調べに対し、「売れば金になると思った。会社の資金にしたかった」と容疑を認めているという。
この博物館では、収蔵庫に保管していた美術品320点、計7700万円相当がなくなっており、警察は男が全ての犯行に関わっている可能性もあるとして、捜査を進めていく方針だ。
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男の犯行に、「工事業者はやろうと思えばいくらでも物が盗める。信頼を損なう卑劣な行為だ」「役員だし、仮に全て盗んでいたとすると、社員を使ってやっていた可能性も否定できない」「余罪もあったんじゃないの? もうこの工事会社を使う業者はない」「この会社は組織的にやっていたのかどうかを明確にするべきだ」という指摘が上がる。
また、「美術館があまりにも無防備。休館中とは言え、貴重な品を警戒していないなんて」「管理体制にも問題があったと言わざるを得ないと思う」「1億円近い所蔵品がこれでは話にならない」「何度盗んでも気が付かれないんじゃ、何回もやろうと思っちゃうよね」と管理体制の甘さを指摘する声もあった。
工事業者としての信頼を大きく裏切った52歳の会社役員。その代償は大きなものになりそうだ。