キュリオシティが送り届けてきた画像で見る火星は、青空や砂色の空の下に荒涼とした赤い大地が広がるという、地球の荒野とははるかに違う光景だ。だが、そんな画像の片隅をよく見ると、奇妙なものが写り込んでいることがある。それは朽ち果てた建造物のようなものや、生物の化石のように見えるもの、中には生物のようにしか見えないものもある。これらは世界中のUFO研究家、愛好家が画像を隅から隅まで探し回って見つけ出した。
キュリオシティの写真にあった奇妙なものの中には、「宇宙人の着陸用ポッドらしきもの」「金属片のような薄い人工物」などがある。
「宇宙人の着陸用ポッドらしきもの」は2016年頃に話題になったもので、幅1メートル、高さ約1.5メートルの円筒形。全体的に黒ずんでおり、土ぼこりなどを被っている様子は見られない。もし、隕石や岩だとすると周囲にクレーターや崩落の跡などが生じていなければ不自然である。ということで、「宇宙人の着陸用ポッドではないか?」という説が出たようだ。
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2018年8月には、砂や石しか確認できない火星の地表に「白く薄い金属片のようなもの」が落ちている様子が捉えられて注目を集めた。人工物、または卵の殻のように思えるこの物体だが、キュリオシティに搭載されたレーザーと分光器での分析によって非常に薄い岩石の欠片だったことが判明している。
さて、NASAは2020年11月18日に撮影した122枚の画像を合成し、一番最近の火星地表の様子を捉えたパノラマ画像を公開した。キュリオシティは着陸場所でもあるゲール・クレーター内に存在するシャープ山を登りながら移動を続けており、画像にはクレーターの底や北側のふちもある。
車輪に穴があいたり、古いソフトウェアのアップデートを繰り返しながら孤独にミッションをこなしてきたキュリオシティは、画像やデータを通してこれからも様々な情報を我々に伝えてくれることだろう。
(山口敏太郎)