20時前からは生中継枠に。例年であれば番組終盤にメインイベントを生中継していたが、今回は大晦日の終夜運転が首都圏で見送られたことにより、この日、さいたまスーパーアリーナの最寄り駅であるさいたま新都心駅の改札に設置されたLED掲示板には、「22時30分頃終了」という文字が定期的に流されていた。RIZINでは毎年行っていた出場選手とのカウントダウンセレモニーを取り止めて、試合後のインタビューなども含めて、大会の進行もいつも以上に配慮していた印象を受けた。この生中継枠5試合には、浜崎朱加、山本美憂、五味隆典、皇治、朝倉未来、那須川天心、朝倉海、堀口恭司と知名度のある選手をズラリと揃えただけではなく、手に汗を握る好勝負が続いたことで、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が2019年大晦日の5.2%から7.3%に大幅アップと大健闘を見せている。
メインの堀口の圧倒的な強さもインパクトを与えたが、セミファイナルの天心とクマンドーイ・ペットジャルーンウィットの一戦を前に、K-1のエース武尊がリングサイドへ。武尊がリングサイドに向かう姿をテレビカメラで追うだけではなく、「K-1三階級王者 武尊」という文字とともに着席した武尊をカメラが捉え、会場内でも聞こえる試合前の実況でも武尊の来場がアナウンスされると、大きな拍手がわき起こった。これまで天心がアクションを起こしたことはあったが、武尊の口から明確に「天心」という名前が公式に出ることすらなかっただけに、今回の行動には驚かされた。
クマンドーイに判定勝ちを収めた天心は「一緒に格闘技を盛り上げていきましょう!」とリングサイドの武尊に呼びかけると、武尊は大きく頷き、退場時に2人は笑顔で少しだけ会話を交わした。武尊は「中立のリングで出来る目処が立った」ことからこの日の来場を決めたという。また、天心に対して、「僕の試合見に来てほしいなって思うんで、1月24日、K’FESTAで待ってます」とK-1の1.24東京・代々木第一体育館大会(武尊はレオナ・ペタスと対戦)への来場を呼びかけている。
天心もRISE2.28神奈川・横浜アリーナ大会で志朗戦を控えており、両者ともにここをクリアした上で、スーパードリームマッチに駒を進めたいところ。中立のリングとはどのリングになるのかも含めて、今年の格闘技界はこの2人を軸に動いていく。
(どら増田 / 写真©︎RIZIN FF)