天心と裕樹のメインイベント、女子トーナメントとともに大会の軸となったのは、『DEAD OR ALIVE 2020 -55kg〜那須川天心挑戦者決定トーナメント』だ。1回戦(準決勝)では、優勝候補の鈴木真彦と江幡塁のドリームマッチと、志朗とシュートボクシングの植山征紀がそれぞれ対戦。鈴木と塁はハイレベルな好勝負を展開したが、押していた鈴木が判定勝ちを収める。また、志朗と植山は、植山が押していたように見えたが、志朗が冷静にポイントを稼ぎ、判定勝ちを収めた。この4人の中で天心と対戦したことがないのは、植山だけだっただけに、無念の敗北だろう。
決勝は鈴木と志朗が対戦。鈴木は1試合目の塁に勝ったことで20連勝中。2015年8月に天心に敗れてから、「打倒天心」一本でここまでやってきた。昨年9月、天心に敗れた志朗は判定負けだっただけに、自身の足りないところを徹底的に磨いてきたという。1R、鈴木が勢いで押していことした矢先、志朗の右ストレートが鈴木の顔面を捕らえた。崩れるように倒れた鈴木は、その後も志朗の攻撃を受けながら、手数を出していくも、この一発がかなり効いたのか下半身に力が入らず、倒れないのがやっと。最終ラウンドのゴングが鳴ると鈴木は泣き崩れ、退場時も号泣。天心戦まで「あと一歩」だっただけに、この負けは悔しい。
志朗は「那須川天心君に負けてから自分の時間は止まったまま。このメンバーの中で優勝したので、みなさん、自分が天心君と戦うことに異論はないと思う。天心君がボクシングに移籍する前に敗北の味を覚えさせるので、来年は楽しみにしていてください」とアピール。関係者によると「来年2月から3月までにはビッグマッチで実現させたい」という。
天心と志朗は同じトレーナーが見ており、練習が重なることがあるようで、お互いに遠目から見合っていることを明かしていた。天心は「ある程度は予想ついていますけど」とトーナメントの優勝者を予想していると話していたが、その選手はまさに志朗だった。「覚悟が違ったので、志朗君だと思ってました」。天心は「ハイレベルな戦いを見せたい」と力強く宣言。次戦は大晦日のRIZIN出陣が予想されるが、来春の大一番に向けて負けられない戦いが続く。
◆RISE◆
『DEAD OR ALIVE 2020』
2020年11月1日
大阪・エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第1競技場 観衆 未発表(チケットは全席完売)
▼DEAD OR ALIVE 2020 -55kg〜那須川天心挑戦者決定トーナメント決勝戦〜(3分3R / 延長2R)
○志朗(判定 3-0)鈴木真彦●<山口道場>
※30-27、30-27、30-27
※志朗が来春のビッグマッチで天心と対戦
(どら増田)