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ソフトB・柳田、年俸6億到達は不吉の前兆? 引退の引き金を引いた選手も、来季も結果を出すためのカギは

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柳田悠岐

 今季「119試合・.342・29本・86打点・146安打」といった成績をマークし、チームの3年ぶりリーグ優勝、4年連続日本一に貢献したソフトバンクのプロ10年目・32歳の柳田悠岐。23日、その柳田が契約更改に臨み、4000万円増の年俸6億1000万円(推定)プラス出来高でサインしたことを複数メディアが報じた。

 昨オフに年俸5億7000万円(同)プラス出来高で7年契約を結び、今季がその1年目だった柳田。出来高をクリアした分だけ翌年の基本年俸に金額が上乗せされるという契約内容のため、今回の年俸6億円台到達は4000万円分の出来高をクリアしたことにより実現に至ったとみられている。

 過去に年俸6億円台に到達した日本人野手は、現役時代に巨人(1993-2002)、ヤンキース(2003-2009)、エンゼルス(2010)、アスレチックス(2011)、レイズ(2012)で活躍した松井秀喜と、巨人(2001-2019)一筋でプレーした阿部慎之助のみ。柳田は球史を代表する打者だった両名に肩を並べることとなったが、この両名は到達翌年のシーズンでは明暗が分かれている。

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 松井が年俸6億円台に到達したのは、「140試合・.333・36本・104打点・160安打」で首位打者を獲得した2001年オフの契約更改。翌2002年シーズン中に取得する海外FA権を行使しメジャー挑戦する意向を公言していた松井に対し、巨人は5年総額50億円という超大型契約を提示。これを松井は断り単年契約を結ぶが、金額はそれまでの5億円(同)から1億1000万円増となる6億1000万円(同)とプロ野球史上最高額(当時)となった。

 メジャー移籍をにらみ単年10億円という破格の契約を蹴った松井は、翌2002年に「140試合・.334・50本・107打点・167安打」といった数字をマークし本塁打、打点の2冠を獲得。チームに2年ぶり30回目のリーグ優勝、2年ぶり20回目の日本一をもたらすなどきっちり結果を残したうえで、同年12月19日にヤンキースと契約しメジャーへ活躍の場を移した。なお、同年の松井を最後に球界では50本塁打をクリアした日本人野手は出ていない。

 2013年に「135試合・.296・32本・91打点・125安打」といった数字を残した阿部は、同年オフの契約更改で3000万円増となる6億円(同)の単年契約でサイン。だが、翌2014年はシーズン序盤の5月に首を故障したことで打撃不振に。これを受けた首脳陣は守備の負担を軽減するため本職の捕手では無く一塁で起用するなどの策もとったが、結局「131試合・.248・19本・57打点・114安打」と前年から大きく数字を落とし、年俸も9000万円減の5億1000万円とダウンしてしまった。

 阿部はその後、2015年にファウルチップを顔面に受けたことで首の故障が悪化し、2016年からは捕手を離れ一塁にコンバートされることに。それでも全盛期の打撃を取り戻すことはできないまま、2019年限りで現役引退を決断している。なお、この間年俸は毎年ダウンし続け、最終的に1億6000万円(同)まで下落している。

 松井は活躍、阿部は低迷と到達翌年は明暗が分かれた過去の6億円到達日本人野手だが、阿部が結果を残せなかった最大の原因は首の故障。2017年に右脇腹、2018年に右太もも裏、そして2019年は左ひざ裏と近年は相次いで故障に見舞われている柳田は、自身のコンディションに細心の注意を払わなければ阿部の二の舞となってしまう危険性は高いだろう。
 
 一方、活躍を収めた松井については、メジャー挑戦という目標が大きな原動力になったという見方ができる。柳田も本塁打王や打点王、さらには三冠王など、自身がまだ獲得したことの無いタイトルを目標に掲げてシーズンに臨むことが成績を左右するカギとなりそうだ。

 契約更改に関する報道で「本塁打の最低ラインはキャリアハイ」と、自己最多記録である36本塁打(2018年)を超える目標を掲げたことも伝えられている柳田。リーグMVPにも選出された今季以上の活躍を来季、見せることはできるだろうか。

文 / 柴田雅人

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