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動機は「上司の期待に応えたかった」 スピード違反の証拠を捏造した元警部補に懲役2年6か月求刑

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画像はイメージです

 北海道警交通機動隊の58歳男性元警部補が、スピード違反の証拠を捏造し違反切符を切ったとして、証拠隠滅などの罪で起訴された裁判が9日、札幌地裁で開かれた。

 ​>>58歳警察官がスピード違反のデータを捏造、違反切符を交付し逮捕 「ここまでする理由は」疑問の声も<<​​​

 この事件は昨年8月から今年5月にかけ、北海道警本部交通機動隊所属だった元警部補(58)が、道内で交通違反を取り締まる際、パトカーから出るスピードを計測するレーザーを電柱などに照射しデータを捏造し、それを証拠として違反切符を交付していた。

 事態発覚後、元警部補は懲戒免職処分となる。また、パトカーに同乗していた部下3人も、証拠偽造などの疑いで書類送検されている。当時、動機などは伏せられていたが、今回の裁判で元警部補は「上司の期待に応えたかった」と供述。さらに、検察側から「実績を上げれば覆面パトカーで捜査ができる」と持ちかけられたことが明かされる。

 また、元警部補は(重い違反の)赤切符は事務作業が増えることから、「やりたくない」と考え、青切符としていたことも明かされている。元警部補はデータの捏造について、「軽率だったとしか言いようがない」と話しているという。

 検察側は「最も重要な客観的証拠の偽造は、公文書と警察の信頼を裏切る行為」として、懲役2年6か月を求刑。一方、弁護側は「2019年9月に報告を受けた際、上司が内々に処理しようとするなど重大性の認識が薄かった」「本人に直接注意していなかった」ことを根拠とし、執行猶予付きの判決を求めた。

 今回明らかになった男の動機と主張に、「酷すぎる。言及はされていないが、ノルマのために交通違反を取り締まっていることが明らかになった」「なんのための取り締まりなのか。安全を守るためではなく、庶民から金を巻き上げようとしているだけではないか」と怒りの声が上がった。

 この事件については、「ほかの都府県でも同じことが行われているのではないか」という疑念が根強く上がっている状況。いわゆる「ネズミ捕り」など、交通安全を守ることに繋がるとは思えない取り締まりについて、見直す時期に来ているのではないだろうか。

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