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広島のFA選手に“セルフ戦力外”の危機! 争奪戦どころかテスト入団の憂き目に、ロッテ・松永の二の舞に懸念?

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 2012年ドラフトで1位指名を受けロッテに入団し、今季まで「359登板・16勝15敗135ホールド1セーブ・防御率2.91」といった数字を残しているプロ8年目・32歳の松永昂大。その松永が3日、今年8月に取得した国内FA権を行使した。

 松永はソフトバンクに2連敗し今季終戦となったCS(11月14、15日)後からFA行使を熟考していることが伝えられていたが、3日に権利行使に必要な書類を球団側に提出。誰にも相談することなく権利行使を決断したという松永は、「他チームの評価を聞きたいというのが一番」と理由を語っている。

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 チームでは貴重なリリーフ左腕である松永のFA宣言を受け、ネット上には「左腕は他に小島(和哉)や中村(稔弥)ぐらいしかいないから抜けられたらマズい」、「今季は故障であまり投げられなかったけど実力は確か、球団は何とか慰留に尽くしてほしい」といった残留を願うコメントが多数寄せられている。一方、一部では「人的補償(松永はBランク)が発生する故障明け選手を獲る球団なんかあるのか?」、「下手したら広島の木村みたいにドロ沼に陥りそう」というコメントも見られた。

 名前が挙がっている木村昇吾は、現役時代に横浜(2003-2007)、広島(2008-2015)、西武(2016-2017)でプレーした内野手。2017年の西武退団後はクリケット選手に転身し40歳となった現在もプレーを続けているが、広島時代にFA権行使が原因で選手生命の危機に立たされたことがある。

 木村がFA権を行使したのは、当時プロ13年目・35歳だった2015年11月。同年まで8年間広島でプレーし「645試合・.270・3本・65打点・265安打」といった数字をマークした木村は、スタメンでの出場機会を求めてFA宣言。35歳という年齢面に加え年俸も4100万円(推定)と安くはない中での宣言だったため、当時は水面下で既にどこかの球団と話がついているのだろうという見方が大半だった。

 しかし、宣言後の木村は移籍先が決まるどころか、他球団が獲得調査を行っているという報道すらない異例の状況に。さらに、広島も宣言残留は原則として認めないというスタンスであったため、木村はこのままだと36歳となるシーズンを所属先なしで迎えるという大ピンチに陥った。なお、木村は人的補償が不要なCランクの選手であったため、各球団は実力やコストを純粋に判断した上で木村を“スルー”したものと思われる。

 12月に入ってもいっこうに進展がなく、現状を伝える報道の中では「何もない」という悲壮感あふれるコメントもしていた木村だったが、同月下旬にようやく転機が訪れる。同月上旬に内野のバックアッパーだった脇谷亮太が巨人にFA移籍していた西武が、木村に翌年2月1日から始まる春季キャンプにテスト生として参加することを提案。もちろん木村はこれを快諾し、テストという条件付きながら現役続行へ望みをつないだ。

 「挑戦する機会を与えてくれた西武に感謝したい。目いっぱい、頑張りたい」と喜びをあらわにした木村は、翌年の西武春季キャンプにテスト生として参加。期間はキャンプ初日の2月1日から10日間程度の予定だったが、西武・鈴木葉留彦球団本部長(当時)は「覚悟を十分に見せてくれた」とテストに取り組む木村の姿勢を高く評価し、期間終了前の5日に年俸2000万円(同)で契約。同日の入団会見で「すごくうれしくありがたい気持ちでいっぱい」と西武に感謝を述べた木村に対し、ネット上にも祝福や安堵の声が多数寄せられた。

 FA宣言があだとなり一時は選手生命の危機に陥った木村だが、今回の松永はロッテ側が宣言残留を認めているため、球団が姿勢を変えない限り木村のような事態に陥る可能性はほとんどないといえる。また、木村の場合は内野のスーパーサブという役割が自軍の中堅・ベテランでまかないやすい役割であるためなかなか声がかからなかったが、松永の立ち位置であるリリーフ左腕はロッテだけでなく球界全体で見ても貴重な人材。そのため、むしろ今オフのFA市場では屈指の“人気銘柄”となる可能性の方が高いといえるだろう。

 今季は左ひじのコンディション不良によりわずか5試合の登板にとどまったものの、登板試合では1点も取られていない松永。3日時点では他球団が獲得調査を行っているという報道はないが、果たして今後手を挙げる球団は現れるだろうか。

文 / 柴田雅人

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