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「芸人の前に病人ですから」。トークセッションに登場した円楽。2018年9月に肺がんが見つかり、「前々年に見つかった十二指腸腺腫の手術で入院したら、呼吸器科の先生が『CTで小さな影があるので、気管内視鏡検査をしませんか』ということでおまかせしたら、退院するちょっと前に『実はがん細胞が見つかりました』と言われた」と経緯を語った。
自覚症状はなかったというが、「毎年写ってないものが、その年に限って写っていた。国際標準ではステージ1でも埒外という小ささで、長年見ている先生が見つけてくれた。『楽ちゃんはついてるね』と言われるが、まめに検査していたおかげ。プロの目をすごく信用している」と検診の重要性を訴えた。「大腸もずいぶん昔にやってる。初期のちっちゃいの」と明かし、「科学と医学がどんどん進歩している。実は去年ちょっと再発したんですよ。薬を変えたらがんマーカーの数値が良くなって、維持療法で検査と治療に通ってる」と現在の通院状況を明かした。
肺がんで初入院の際、退院の翌日に独演会があり、高座に上がった円楽。「一病息災でずっとこの病気と付き合っている。戻れるところ、やることがあるうちはまだまだ生きられる」。退院時に医師から「肺がんは酒を飲んでいい病気です」と言われ、「うれしくて家に帰って缶ビールを飲んだ。一週間ぶりだから苦かったけどおいしかった。ぱっと傷口を見て『漏れてないな』と」と冗談を交えて話した。
謎かけも披露。「カメラがいっぱいあって謎かけと言うと、4年前の嫌なことを思い出すんだけど」と自虐ネタで笑いを取りつつ、お題「がん検診」とかけて「拍手のない下手な芸」と解く。その心は「受け(ウケ)ないと手遅れです」。見事な即席芸に、居合わせた参加者からさかんな拍手が送られた。
「病気にかかったら戦う心がなくちゃだめ」と円楽。2021年の抱負を聞かれて、「ひと月にいっぺん化学療法をやり、3か月に1回CT検査、半年ごとにMRI、1年に一度PET-CTというサイクルができた。がんと付き合いながら、明るい高座、楽しい大喜利をやって、みなさんに喜んでいただけるように頑張りたい」と展望を語った。
故・桂歌丸さんにも言及。「たぶん歌丸が呼びに来てるのね。肺がんが見つかったのは歌丸師匠の四十九日。手術の日が決まったのは百箇日。脳腫瘍が見つかったのは1周忌。あんだけ呼吸器つけて酸素を吸いながら、落語にしがみついてくれたお師匠さんがいた。闘病もするけど、落語ができるから、この業界に恩返ししてお師匠さんや先代のいるところにゆっくり行く」と真情を吐露。理想の逝き方は「ふとした病」。「笑点メンバーに見送られたいか?」の質問には「やだよ、あんな連中。俺が見送りたいよ!」と元気に切り返していた。