5年間の長期政権でリーグ優勝こそ果たせなかったが、2016年就任1年目にチームを史上初のCSに導き、翌年は日本シリーズまで進出させた。昨年はリーグ2位の成績で、念願の本拠地CSを達成。就任時に球団が求めた「戦える球団」というミッションには、十分応えたと言っていいだろう。
そんなラミレス監督が、印象に残っている選手として5人の名前を挙げた。まずは、今年大ブレイクした佐野恵太。「去年までバックアップの選手がキャプテンになり、レギュラーになり、4番として素晴らしい成績を上げてくれて、このチームの将来を担ってくれる選手に成長してくれたことは良かった。もしかしたら、僕がした決断が間違った方に行く可能性もあったにもかかわらず、彼は結果を残してくれた」と感慨深げに語った。
次には、稀代のヒットメーカー宮崎敏郎と監督就任時に2年目を迎えていた倉本寿彦。「最初はバックアップメンバーだったが、彼自身一生懸命努力してレギュラーになることができた。倉本も同様」とコメント。宮崎は代わりの利かないサードに成長し、倉本は大和の加入で苦しい2年間を過ごしたが今年復活した。
ピッチャーでは、今シーズン途中からストッパーの大役を立派に果たしている三嶋一輝。「すごく難しい状況でクローザーになったにも関わらず、役割を果たしてくれてる」と絶賛。続けて、女房役の戸柱恭孝の名を挙げ、「グレイトジョブ。しっかりとやって自分でポジションを掴むことが出来た」と共に一度は苦渋を舐めた2人に称賛を送った。
他にも多数いるであろうが、敢えて名前の挙がった“ラミレス・チルドレン”。来シーズン以降は違う指揮官の下、師の教えを胸に戦い続ける。
取材・文・写真 / 萩原孝弘