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広島・石原が“死んだふり”で相手をかく乱! 本人も「普通に言えばボーンヘッド」、現役引退で思い出される衝撃の頭脳プレー

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画像はイメージです

 2001年ドラフトで4位指名を受け広島に入団し、昨シーズンまでに「1616試合・.236・66本・378打点・1022安打」をマークした捕手・石原慶幸。今年41歳を迎えたその石原が12日、今シーズン限りで現役を引退することを球団が発表した。

 プロ19年目の今シーズンは3試合出場でノーヒットと出場機会はあまりなかったものの、精神的支柱として一軍に帯同し続けていた。しかし、8月27日対DeNA戦で左脚を負傷し、翌28日に登録抹消。これ以降は復帰に向け懸命にリハビリを続けていたが、10月に入ったこの段階で引退を決断し球団に申し入れたという。

 チームの捕手としては歴代最多の安打数をマークした石原の引退を受け、ネット上には「弱い時代から広島を支えてくれた功労者だから引退は寂しい」、「引退後もできればコーチとして球団に残ってほしい」といった惜別の声が数多く寄せられた。一方、一部では「石原といえば相手を騙して三塁を陥れたプレーが印象深い」、「しれっと三塁に進んだあの頭脳プレーは忘れない」といったコメントも見られた。

 19年のプロ生活において、機転を利かせたプレーで何度かファンを驚かせている石原。その中でも最も有名なのが、2016年シーズンに見せた“死んだふり走塁”だ。

 2016年7月27日、京セラドーム大阪で行われた広島対巨人の一戦。前日までに貯金を21個作っていた広島は、2位巨人に10ゲーム差以上をつけて首位を独走。ただ、同戦は1、3回にそれぞれ2点を失うなど巨人相手に劣勢をしいられていた。

 同戦に「8番・捕手」で先発していた石原が頭脳プレーを見せたのは、「0-4」と広島4点ビハインドで迎えた5回表1死満塁の場面。ここで打席の田中広輔が二塁方向へライナー性の打球を放ったが、巨人二塁手・山本泰寛はワンバウンドで捕球し二塁へ送球。これにより一塁走者は二塁に到達する前にフォースアウトとなったが、併殺崩れの間に三塁ランナーがホームに生還し広島は1点を返した。

 ところが、この場面で二塁走者だった石原が一連のプレー終了後に二塁を離れ三塁側の自軍ベンチに、とぼとぼと歩き出したことで巨人守備陣はセーフの石原をアウト、アウトの小窪哲也をセーフと勘違い。石原の意図をくんだ小窪が二塁上にとどまりセーフのふりをしていたこともあり、石原はそのまま三塁へ到達。この時巨人側は石原にタッチしていればアウトにできたが、何のアクションも起こさなかったため石原にまんまと三塁を陥れられてしまった。

 試合自体は「2-7」で敗れた広島だが、試合後のファンの話題は石原の頭脳プレーに集中。ネット上にも「石原のトリックプレーに球場全体が騙された」、「瞬時に機転利かせた小窪も凄いけど、そしらぬ顔で三塁まで歩いた石原は肝据わりすぎだろ」といったコメントが多数挙がった。

 多くのファンを驚かせたこのプレーについて、石原は同年オフに出演した地元ローカル番組内で振り返っている。石原によると、この場面では田中の打球がライナー性だったため二塁に戻るそぶりは見せたというが、ワンバウンドで捕球されたため自身がアウトではないことは分かっていたとのこと。そこから巨人守備陣の雰囲気や動作を読み、独断で三塁に歩いたというが、「普通に言えばボーンヘッドですよね」と、見抜かれて大チョンボになる可能性もあったと語っている。

 >>広島捕手がまさかの方法で二塁進塁を阻止!敵軍監督は大爆笑、“ダメ元”の判断が生んだ前代未聞の珍プレー<<

 この他にも“ボールを見失ったため砂をつかんで牽制”(2013年5月7日対DeNA戦)、“スクイズを空振るも二・三塁走者が生還”(2017年5月14日対巨人戦)など珍しいプレーで多くのファンを驚かせている石原。記録面はもちろん記憶面でも印象に残る選手だった石原には、11月7日阪神戦で予定される引退セレモニーで球場中から惜別の大声援が送られることは間違いないだろう。

文 / 柴田雅人

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