>>阪神・藤川が怪力助っ人を挑発! 実は内心ビクビクしていた? 今も語り継がれる伝説の“全球ストレート勝負”<<
「二軍降格ではないんだな」――。この日の試合前、藤浪の動向が注目されていた。
前夜のピッチング内容では即二軍降格が通達されても仕方なかったが、球団は発表しなかった。従って、「6日の甲子園に現れたら一軍残留、鳴尾浜球場に行ったら、二軍落ち」と予測し、報道陣は甲子園球場で待ち構えていたのだ。
「もう1回は(先発させよう)と思っているんだけど、天気もあるしね。断言はできないけど、行かそうとは思っているよ。現状はね。先のことは分からないけど」
矢野燿大監督が答えた。「らしくない」物言いだった。先発チャンスを与えるが、確約ではないという。また、藤浪のキャッチボールの相手を務めた福原忍投手コーチは、ノーコメント。この先、天候によって試合日程が変わった場合、他投手を優先するのだろう。
「故障で戦線を離れていた才木浩人が順調な回復具合を見せています。藤浪と才木が入れ代わるのだと思いますよ」(在阪記者)
12日の広島戦での先発を有力視するメディアも多かったが…。チーム関係者がこう続ける。
「大敗した5日のゲームですが、雨天により、試合開始が予定時刻よりも1時間以上も遅れてしまいました。集中力を持続させるのは難しいし、同情すべき点もあります」
しかし、同日の巨人先発・今村は好調さを持続させ、完投目前という結果も出している。「精神力で負けた」わけであり、言い訳にはならない。
首の皮一枚でつながって、どうにかラストチャンスをもらったとも解釈できるが、実際は違った。
今回、二軍降格を進言する首脳陣も多かったそうだ。というのも、二軍には藤川球児がいる。現役ラスト登板をめざす藤川に預ければ、多くのことを学べるのではないか、と。藤川の練習時間を割くようなことはさせたくないが、間近でその練習熱心さを見れば、感じるものも多くあるはずだ。
「去年までの藤浪ですが、二軍調整中は考え込んでしまう時も多く、練習に集中できてなかったようです。二軍首脳陣に聞くと、調整法、練習内容も本人任せになっていたそうです」(プロ野球解説者)
もっとも、藤川の一軍復帰が早まれば、藤浪と入れ違いになってしまう。経験豊富な藤川に学ばせる案には賛成だが、矢野監督からの信頼を取り戻すには、12日の登板だけではなく、2試合以上、安定したピッチングを見せる必要がありそうだ。(スポーツライター・飯山満)