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阪神・藤川、シーズン中に引退表明したワケ 昨オフの意味深な発言、球団の思惑も去就に影響か

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藤川球児

 ベテラン・藤川球児(40)が今シーズン限りでの引退を表明した。どの球団も試合数の削減と、「上限5000人」という規制を受けているため、大幅な収入減を被っている。「今オフの大量リストラ、人員整理は必至」と囁かれる中での突然の引退表明、シーズン終了後ではなく、ペナントレースの真っ最中に公表したことに、何か“ウラ”がありそうだ。

 「ここだけの話、プロ野球界ではペナントレースの中盤には『リストラ名簿』、つまり、戦力外通達の候補者リストがほぼ出来上がっているんです。チーム功労者の肩を叩くとなれば、敬意をもって接しなければなりません。まして、阪神は昨季、鳥谷敬選手と衝突し、他球団に流出させる結果となってしまいました」(ベテラン記者)

 円満な話し合いが行われたことを「チーム内外にアピールする目的もあった」と予想する声も聞かれた。

 「希望的観測ですが、9月後半から10月に掛けて、観客動員数の上限が解除されるとの見通しもされています。藤川の引退、日米通算250セーブまで『あと5』。仮に優勝戦線に絡むことが出来なくても、甲子園球場を満員にできるでしょう」(前出・同)

 藤川の引退は、チームの士気に影響する。今季に限っては「藤川さんのために」と、残された選手たちのモチベーションも上がるだろう。しかし、“後継者”はまだ育っていない。

 >>全12球団が60億円以上の損失? 大幅収益減の阪神、リストラ促進であのベテランも引退危機か<<

 昨年オフから3月のオープン戦までの間、こんなこともあった。この間、メディアは各球団の選手、関係者と食事をする機会がある。筆者は直接聞くことはできなかったが、藤川は「今年、優勝できると思う」と、複数の取材陣に語っていた。投打ともに戦力は整いつつあった。藤川は「優勝するチームの気運」みたいなものを話し続ける。当然、その会話は人を介して他選手にも広まっていく。中堅、若手も「藤川さんが言うのなら、ひょっとして!?」と思い始める。

 そのベテランが先頭に立って練習をする姿に、チームの士気はさらに上がっていく。チームをヤル気にさせることが出来るリーダーが見当たらないのだ。

 「藤川は故障経験もあるので、体のケアにも気を遣っていました。どの医師が良かったとか、どのトレーナーの話が面白かったとか若手に聞かせていました」(在阪記者)

 250セーブ達成となれば、ちょっと意外だが、松坂世代の名球会入りは第一号となる。入団してしばらくは先発枠を争っていたが、リリーフに転向し、その才能を開花させた。

 浮き上がってくるような独特の軌道を描く“火の玉ストレート”とフォークボールが有名だが、カーブやスライダーも投げられないわけではない。大抵の投手はベテランになるにつれ、新しい変化球をマスターしようとするが、藤川は「通用しないのなら、いらない」と言って、ストレートのキレ、フォークボールの精度を高めていた。そういう合理的な考え方と精度を高めるというストイックさが、長い現役生活につながったようだ。(スポーツライター・飯山満)

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