事件が発生したのは札幌市西区。5月27日午後8時頃、共同住宅の隣に住む50代の女性が所有する自動車を石で傷つけたとして逮捕された。女性は2019年10月からたびたび車を傷つけられる、タイヤをパンクされるなどの被害を受けており、警察が捜査を開始。防犯カメラやドライブレコーダーを解析した結果、男の犯行である可能性が高まり、逮捕に至った。
男は容疑を認め、「隣の人が水道を止める蛇口の音がうるさくて腹が立ってやった」と話しているという。住宅では、車が傷つけられる被害以外にも、共同のゴミ集積場に煙玉が仕掛けられる、郵便ポストのチラシが燃やされる、ドアノブの鍵穴に接着剤のようなものが入れられるなどの被害が相次いでおり、警察は男が関与している可能性もあると見て捜査を進める方針だ。
騒音をきっかけにした事件はコロナ禍でたびたび発生。先月、東京都江戸川区で「隣人の物音がうるさい」と激怒した80歳の男が刃渡り13センチの包丁を持って部屋に侵入する事件が発生。また、足立区では騒音をきっかけにした殺人事件も起きている。そのたびに「遮音性の低さ」に怒りの声が上がる。
この事件に、「音がうるさいならまずは管理会社に連絡するべき。それをせずにただ嫌がらせをするのはおかしい」「いくらうるさいからと言っても、姑息な嫌がらせは許せない」「水の音はウォーターハンマー現象が原因。それなら文句は隣人ではなく管理会社や施工会社に文句を言うべきでは」と男の行動に怒りの声が上がる。
一方で、「共同住宅なら相手への配慮も必要」「音が鳴ることを知らずに入居して水の音がするなら、同情の余地はある」「ペラペラの板で作った住宅に何も説明されず住んでしまったら、イライラするのは理解できる」という声も出た。
全国で相次ぐ騒音をきっかけとした事件。「個人が我慢すればいい」という考えでは、抑止につながらないのではないだろうか。