日本高校野球連盟(高野連)は同日、新型コロナウイルスの影響により夏の甲子園と地方大会の中止を決定したと発表。関本氏の長男で、昨年大会で優勝した履正社高校の3年生で、主将も務める関本勇輔さんも最後の夏を戦えない形になった。
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関本氏は「高校球児の父兄として話をさせてもらうと、いろんなことがあるのは百も承知ですけど本音は『やってほしい』。もうその一言に尽きます」と悲痛な心境を吐露。
続けて、「春(の大会)がなくなって、なんとか夏に向けて気持ちを切り替えてやってる中で夏(の大会)も無くなると、(これから球児は)何を目標にして頑張っていけばいいのかなと思う」と球児の心情を察した。
また、関本氏は中止決定直後の勇輔さんとのやりとりについても言及。関本氏は自身の口で直接勇輔さんに中止を伝えることはとてもできなかったというが、勇輔さんの方から「中止発表されてたなあ」と言われたという。
しかし、関本氏によると勇輔さんはその後「自分の部屋に入っていって、そこから(しばらく)出てこなかった」とのこと。この光景に関本氏は「かける言葉がない。『切り替えて頑張れ』なんて軽々しく言えない」と非常に心を痛めたと語っていた。
今回の放送を受け、ネット上には「部屋の中でずっと泣いてたのかなって考えると本当に辛い」、「球児はもちろんだけど、ずっと応援してきた親からしても相当ショックだよな」、「関本も球場でよく長男の試合を応援してたしやりきれないだろうなあ」といった反応が多数寄せられている。
夏の甲子園の中止が発表された後、各高校では監督が直接選手に中止を伝えている。一部の高校では取材に入ったメディアによってその様子が伝えられているが、どの高校でも目に涙を浮かべ監督の話を聞く選手や、涙をこらえきれず手で顔を覆って泣く選手の姿が見受けられた。
今回の中止を受け、20日に「考え直してもらいたい」、「高野連はリスクをとってやるべきではないか」とコメントした大阪・吉村洋文知事をはじめ、高野連に再考を求める声も挙がっている。果たしてこうした世論を受けて、高野連が中止を撤回することはあるのだろうか。
文 / 柴田雅人