新型コロナウイルスの影響により、当初3月26日(日本時間27日)に予定された開幕の延期が続いているMLB。延期以降、MLB側と選手会側は開幕を目指して複数回協議を行っており、5月12日(同13日)からは7月初旬に無観客で開幕する案を協議している。また、これまでの協議では選手の年俸についても話し合いが行われ、3月末には「年俸60日分の保証+試合数に比例した額」という年俸削減案が取り決められていた。
しかし、今回の協議では「今季の総収入を球団と選手で折半」という新たな案が浮上。この案に対してはレイズ・スネルが「給与が満足に支払われないならプレーしない」と反発し、他球団の複数選手もスネルに同調。一方、MLBで通算1551勝(歴代24位)を挙げた元監督・ショーウォルター氏が「ファンは選手が『給料がカットされるならプレーしない』と文句を言っているのを聞きたくはない」とスネルらを批判するなど賛否両論を呼んでいる。
ダルビッシュは19日に自身のツイッターに投稿。ショーウォルター氏の発言を伝える記事のリンクを添え、「前例のない状況で感情論で話されてもなぁ。結局密だらけの現場に長時間いて、そのまま家族のいる家に帰るのは現場」と疑問を呈した。
続けて、自身の投稿にリプライする形で「現場に行かなくてもお金が稼げる人たちが『ファンのために』ってもっともらしいことを言っているだけ」、「今シーズンを始めて成功すれば野球の評価をあげられる、でもすぐ中断になっても仕方ないで終わる。その賭けに使われているのは給料をかなり削られた現場」と自身の考えを述べた。
一連の投稿を受け、ネット上には「命がけで試合すると言っても過言じゃないから、しかるべき報酬がもらえないことに声を挙げるのは正しいことだと思う」、「やるかやらないかは現役の選手・コーチ陣が決めるべき、外野のOBが余計な口出しをすべきではない」、「現場の選手が拒否してるんだから、MLBと選手会には他の案を考えて欲しい」といった賛同の声が多数寄せられている。
一方、「チケットやグッズの収入が減るんだから、その分の給料削減は当たり前のことじゃないの?」、「高給取りの選手はまだ耐えられるけど、薄給の選手やスタッフは開幕しないと食っていけないからなあ」、「給料が減ったり感染リスクを抱えたまま働いているのはMLB選手だけじゃない、中には会社が倒産して失職している人もいるんだからそれに比べたら恵まれた方だろ」、「ダルの言い分は分かるけど、どこかで折り合いをつけないと人件費削減のための大量解雇とかも起こりそうな気がする」といった否定的なコメントも複数見受けられた。
現時点(20日正午時点)で今回の年俸案はまだ正式決定されていないが、果たして今後の協議でどのような結論が下されるのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
ダルビッシュ有の公式ツイッターより
https://twitter.com/faridyu