メジャーなコンテストの中でも特に注目度や視聴率が高い「M-1」は、決勝に進出すると翌年の仕事がイッキに増える。アルバイトで生計を立てていた日常から脱出できることも珍しくない。ところが、オズワルドは違った。いわゆる“跳ねる”ことができなかったのだ。
「オズワルドとは、吉本興業に所属する結成6年目のコンビ。昨年の『M-1』が決勝初で、ボケの畠中悠さんに静かにツッコむ伊藤俊介さんは、通をうならせる“強弱漫才”です。ファイナリストになったことで注目されたのは、ヒゲとめがねが特徴の伊藤さん。妹が、朝ドラ女優の伊藤沙莉さんなのです」(お笑いに詳しい芸能ウォッチャー)
沙莉は、9歳で女優になった元子役。堂々たる演技力が開花するのは早く、05年のドラマ「女王の教室」(日本テレビ系)で強いインパクトを残して以降、コンスタントに映画やドラマに出演し続けている。17年、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」に起用されると、その後はテレビアニメや映画の吹き替え、教養・ドキュメンタリー番組ほか、ハスキーボイスを生かして仕事の幅を増やした。昨年は、ドラマ界に革命を起こしたAV監督の村西とおるを描いた「全裸監督」(Netflix)で、アダルトビデオの現場でテキパキ動くメイク役を好演した。
「俊介さんとは大の仲良しで、M-1前にインスタグラムでツーショットを公開しています。19年1月5日に配信された『saireek channel』では兄をゲストに招き、兄妹ならではの掛け合いを見せています」(先の芸能ウォッチャー)
2人はまだ同居。沙莉の住まいに“食えない兄”が転がり込む形で、生活を支え合っている。M-1ファイナリストとなっても、オズワルドはまだ“ひよっこ”のまま。それでも沙莉は、「お兄ちゃんの漫才は面白い」「伊藤家で話す『すべらない話』は、私には百発百中」とベタ褒めしているという。
すばらしき兄妹愛だ。
(伊藤由華)