2つの番組は、低予算を逆手に取った構成で知られる。『5時に夢中!』のタイトルは、迷走状態を指す「五里霧中」をもじったものである。それだけ手探りの番組だったのだ。『5時夢』では、その日の新聞から注目記事をピックアップし、『バラいろ』では、その日の民放各局のワイドショーで取り上げられた話題のほか、ネットニュースまで含めてリサーチを行っていた。
これらのトピックスに回答するコメンテーターもアクが強い人間が多く、『5時夢』では、コラムニストで女装家のマツコ・デラックス、女優の美保純、作家の岩井志麻子などが並ぶ。また、『バラいろ』では、毎度の毒舌発言が話題の女優の遠野なぎこや、「怒れるおじさん」梅沢富美男などが並び、金曜日MCには“ゲス不倫”で知られる宮崎謙介元衆議院議員を起用するなど、大胆なキャスティングで話題となっていた。
さらに、民放のキー局では踏み込めない話題を取り上げることもあり、3月31日放送の『バラいろ』では、飲食店の営業時間短縮などの自粛が起こる中で、なぜパチンコ店だけは営業を続けているのかと疑問を呈した。これには、元TBSアナウンサーの安東弘樹アナが「さすがMXですね」と絶賛する場面も見られた。
アクのあるコメンテーターに加え、取り上げる内容も一癖も二癖もある骨太な番組だっただけに、休止を惜しむ声は多そうだ。