新型コロナウイルスの影響で外出禁止措置が取られているスペイン・マドリード州で、80歳の女性が誕生日を迎え、近所の人が接触しないよう工夫を凝らして女性の誕生日を祝ったと、海外ニュースサイト『METRO』と『INSIDER』が3月18日までに報じた。同記事によると、女性と同じマンションに住む隣人の一人が、女性の家の玄関に小さな台を置き、その上にケーキを置いたそうだ。その後、隣人は女性宅の玄関から少し離れ、女性の名前を呼んで、女性に玄関を開けるように言った。女性は玄関の扉を開けると、ケーキに気づき、泣き始めたそうだ。
隣人の「お誕生日おめでとう」の掛け声で、同じマンションの人たちのほか、向かいのマンションの人たちも、ベランダからバースデーソング『ハッピーバースデートゥーユー』を歌った。隣人が一連の流れを動画で撮影し、自身のInstagramに投稿した。動画は3月31日現在、66万回以上再生されている。
『METRO』は動画の一部を公開しているが、動画にはケーキを見た瞬間に顔を覆って泣き出す女性の姿が映っている。バースデーソングが聞こえると、女性は窓から近所の人たちに手を振っている。向かいのマンションでは、8部屋ほどから合計10人ほどの老若男女が窓を開け、女性に向けてバースデーソングを歌っている。
この動画が世界に広がると、ネット上では「本当に心が温まったよ、ありがとう」「素晴らしい近所のコミュニティを持っている」「外出禁止中でもこういった感動的なストーリーが生まれるんだな」などの声のほか、ケーキは皿の上に乗っていたものの、カバーなどが掛けられていなかったことから、「いくら短時間でも外に放置されていたから衛生面が心配。ケーキを置いた人は手洗いなどに配慮していたかも気になる」という声も挙がっていた。
海外では、外出禁止措置を受ける中、誕生日を工夫して祝っている人たちが他にもいるようだ。
あるSNSでは、23歳のイギリス在住の女性が、自宅をニューヨークと思わせるような派手な飾りつけにして、母の50歳の誕生日を祝ったことを3月下旬に報告している。女性の母親はニューヨークに誕生日祝いを兼ねて旅行する予定だったが、外出禁止措置のため、叶わなかったそうだ。
他にも、外出禁止措置中に22歳を迎えたクラブ好きのアメリカ在住の女性は、家族がカラフルな照明を使いクラブに見立ててくれたリビングで、家族でダンスを踊ったことを3月下旬にSNSで報告している。また、誕生日をビーチでお祝いする予定だったものの、叶わなかった同棲中の若いカップルは、自宅の庭にビーチの絵を飾り、ビーチの雰囲気を味わいながら食事をしたことを、同じく3月下旬頃にSNSで報告している。
外出禁止措置により、多くの行動が制限されているが、それぞれに工夫を凝らしてやれる範囲で誕生日を祝っているようだ。
記事内の引用について
「Neighbours on lockdown sing happy birthday to 80 year old from their balconies」(METRO)より
https://metro.co.uk/2020/03/18/neighbours-lockdown-sing-happy-birthday-80-year-old-balconies-12421143/
「A group of neighbors on lockdown in Spain sang 'Happy Birthday' to an 80-year-old woman from their windows」(INSIDER)より
https://www.insider.com/coronavirus-people-singing-windows-quarantine-2020-3