昨年大みそかの「やれんのか!大晦日!2007」での秋山成勲戦で、強烈な左フックでダウンを奪った“ハードパンチャー”三崎のパンチがさらなる進化を遂げた。
共通の知人を通じて合同トレーニングを行うことになった三崎と内藤。練習は三崎のボクシングテクニックを内藤がチェックし、様々なアドバイスを送る形で行われた。内藤から身振り手振りを交えながら、ストレート、フック、アッパーと各種パンチの指導を受けた三崎は世界チャンピオンをして「センスがいい」と言わしめるほどの吸収力を見せ、およそ15分ほどの練習の中で内藤のアドバイスを的確に体現し、次々と各種パンチを強化していった。
その中でも最も時間を割いていたのが目のフェイントだ。「(総合格闘技でも)目のフェイントは結構使えると思う」という内藤の提案で視線を向けることなくぶっ放すノールックでのパンチを反復練習。これまた数分の間で内藤も舌を巻くほどの対応力を見せ、三崎は内藤が世界を制した“内藤流ノールックパンチ”をマスターした。
「これが世界を制した技術か、と。目のフェイントは僕も大事だと思っていた」と練習後の三崎はニューブロー習得の手応えを口にした。実際、指導中に内藤からノールックパンチを放たれ「全く見えなかった。うまい」というパンチは視線をそらしながら放つため、相手にとっては死角から飛び込んでくるという。戦前の予想を覆して世界王者を沈め、世間が大注目した一戦で亀田大毅を翻ろうした消えるパンチは、三崎を支える新たな武器となりそうだ。
憧れだったという内藤からの指導で「非常に強くなった気がする。強くなったと自分に自信が持てた」と目を輝かせた三崎は、パンチの強さには定評のあるバハドゥルザダ戦いに向けて「教えてもらったパンチで勝ちたい」と意気込んでいる。
三崎が昨年大みそかに続き、またまたパンチで豪快なダウンを奪いそうなムードだ。