名古屋出身のメタルバンド、OUTRAGEが困難から乗り越える姿をリアルに追った作品である。
バンドのスポークスマンであるドラムの丹下眞也氏に話を伺った。
Q:普段のライブ演奏と比べて、2010年12月18日にシアターN渋谷でおこなわれた映画の舞台挨拶には違いがありましたか?
丹下眞也(以下、丹下)「舞台挨拶やりましょうとなった時、TVのワイドショーで見るような感じが自分たちにふさわしいのだろうかと…。
実際に見ている方は、ファンの方々がほとんどなので、あまり緊張するということは無かったです。
ライブのステージでお客さんと喋っている感覚と近かったですね。無事に終わって良かったです。最初はどうなるかと思ったんですけど」
Q:いわゆるアウェー感は?
丹下「無かったですね。舞台挨拶で司会してくださった音楽評論家の方はいつもインタビューしてくださるので、いつもの通り出来て良かったです。
つくづく思ったんですけど、応援してくださる方に支えられてのバンドなんだなと。最初はやっぱり何でアウトレイジが映画? と別世界のモノだと思ってたんですね」
Q:映画のアイディアはバンドから出たのでは?
丹下「バンドから出たというよりもずっと撮りためていたんで何かに使いたいとずっと思っていても、良いタイミングじゃないと出せないじゃないですか。ツアーが終わったということで何にする? となった時に映画にしようと。
話が膨らんで世界が広がっていくというか…そういう意味では、ただDVDをリリースよりは映画館で上映してみようとなったわけです。
監督に一本のストーリーになりますか? と聞いた時に「じゃあ、やってみましょう」ということで編集してもらったという感じです。
撮りためていた映像で「OUTRAGE」がどういうバンドかということを簡単に紹介できる映画はできないのかということで。バンドだからステージで夢を売る職業でもありますけど、現実のところも見てもらってこういうバンドなんだなと。
簡単にいうと、見に来てくださるファンと同じ目線のバンドというのを感じてもらいたい、ただの一音楽ファンの延長線上で音楽をやっているんだなということを見て頂きたいなと思ったんですよ」
Q:映画にはバンドのご家族や関係者が出演されていますね?
丹下「ファンの方に応援して頂いているプラス、周辺のスタッフの方にも応援して手伝ってもらっているからこそ成り立っています。
自分がいないところで撮ってるところもありますが、誰にインタビューしているかと知っているから、そういう方々がいなかったら映画も出来ないし、バンドも出来ないとつくづく思いましたね」
Q:ご家族が出演することについて、すぐにOKが取れたのでしょうか?
丹下「うちの母親は最初、「とんでもない」と。撮影当日も口では嫌だと言いながらも、いざインタビューが始まると1時間ぐらいずっと喋りっぱなしだったらしいです。
作品なんで協力してもらって…家族が一番よくわかっているというのがありますからね。べったりバンドの事を知っているわけではないんですけど、何となく空気感で伝わるんじゃないですか」
Q:2007年にボーカルの橋本さんが戻って、3人から再び4人編成に戻った時、環境の厳しさを乗り越えるには何が必要だったのですか?
丹下「やっぱり新作を作るというのが一番、大事ですね。昔の曲をやってワーっとやるのは簡単なことだろうと…。
新しいものを作って、それが喜ばれるのかというのは一番不安なところ。40代になっても現在進行形だっていうことを皆に見てもらったり、聴いてもらったりするというチャレンジは大きかったですね。
正直、制作に時間がかかったんですけど、満足いくものが出来るまでは出せない、コケられないというプレッシャーもありました」
Q:映画はどんな人に見てもらいたいですか?
丹下「ファンの方に見てほしいですね。ロックバンドはピカピカしているように見えますけど、現実はそうでもなく…大きなバンドだったらもっと大きな葛藤が出てくると思うんですよ。だからバンドってこんなもんだなとロックファンには感じてもらいたいですね。
ロックファンじゃない人に見てもらうチャンスがあるとしたら、人と人との繋がりや、人の気持ちを思って生きていくところを見てほしいと思います」
※OUTRAGEオフィシャルサイト http://www.outrage-jp.com/
■シアターN渋谷、2010年12月18日(土)〜2011年1月14日(金)レイトショー
■名古屋シネマテーク 2011年1月8日(土)〜2011年1月14日(金)レイトショー
■映画サウンドトラック「LIVE!RISE&SHINE」発売中
※インタビュアー、文科系忍者記者ドラゴン・ジョー(山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou