自らブチ上げたエース対決だった。1・4東京ドーム大会で全日本プロレス、武藤敬司からベルトを奪還し「真輔、新日本のエースは1人でいいんだよ」と初防衛の相手に指名。昨年はタイトルマッチで2戦して2連敗のライバルに、この日は完全勝利した。
中邑の必殺技をすべて切り返した。三角締めをテキサスクローバーで返し、飛びつき腕十字はブリッジで体を反転させて抑え込む。昨年1・4で苦汁をなめたトップロープ最上段からのランドスライドもエルボーで未然に回避。奥の手ダブルアームパイルドライバーもフランケンシュタイナーであっさり切り返した。
ことごとく流れを断ち切り、20分過ぎには棚橋が必殺フルコースで勝負をつけた。ダルマ式ジャーマン、ドラゴンスープレックスで投げ捨てると、低空ドロップキックで中邑をうつ伏せに倒し、その上からハイフライフローで圧殺。間髪入れずにダメ押しのハイフライフローで3カウントを奪取。24分26秒の熱闘を制した。
試合後は「エースと呼んでくれ」とマイクアピール。しかしこの日の第7試合で、ジャイアント・バーナードを撃破したアングルが乱入し「4月にタイトルを懸けて試合しないか」と挑戦表明された。すぐさま棚橋は「イエス、オフコース」と流ちょうな英語で呼応。超満員の観衆9300人から大「タナハシ」コールを受け「オレは日本のエースで収まる気はない。両国のみなさん、愛してま〜す」と言い放った。
例年なら春のG1覇者が次期挑戦者となるが、いきなりアングルが挑戦表明したことにより、事態は変わった。IWGP実行委員会では「彼以上の挑戦者はそういない」と4・5両国大会で棚橋VSアングルのV2戦を決断。きょう16日に正式発表されることになった。
「オレは世界一のエースになる」(棚橋)。新日プロのエース対決を制したフェロモンボディーが、今度はIWGPベルトを巻いて、米TNAが誇る世界最高峰レスラーとの「日米エース対決」に臨むことになる。