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市橋容疑者 ついに反撃開始

 英国人女性の死体遺棄容疑で逮捕され、断食と黙秘を貫く市橋達也容疑者(30)がついに反撃を開始した。同容疑者の弁護団が19日に会見して明かしたもの。接見した弁護士に対し、担当検事が死刑をちらつかせたことや、栄養剤注射によって体調を崩したことを訴えたという。固く重かった口からようやく飛び出したのは捜査当局への不満だったわけで、断食と黙秘に続く市橋容疑者の“次の一手”が注目される。

 げっそりやせ細った市橋容疑者の心は折れていなかった。弁護団は19日、千葉県庁で記者会見し、同容疑者が「取り調べ中、検事から『死刑もあり得る』と言われた」などと接見で話したことを明らかにした。
 にわかに反撃姿勢に転じた市橋容疑者の狙いについて、事件取材するジャーナリストは「次の一手のための布石ではないか」とみる。
 「断食を続けた場合、栄養剤を注射できなくなればいつぶっ倒れても不思議はない。そうなると一時的に取り調べを回避できる。さらに取り調べの違法性を公式に指摘するあたり、法廷対決に向けて準備を進めているともとれる。そういう構えを見せておいて、法律的問題点をいちいち突つけば調べもより慎重にならざるを得なくなる」(同ジャーナリスト)
 弁護団によると、取り調べで千葉地検の検事は市橋容疑者に「今のままの態度だと社会に出られない」「死刑もあり得る」「このまま黙っているなら、親が死刑になるべきだ」と発言。県警の捜査員も「親族の所へマスコミが取材に行った。おまえが黙っているからだ」との趣旨の発言をしたという。

 市橋容疑者は弁護団が差し入れた被疑者ノートにこうした“問題発言”を克明に記録。18日に弁護士と接見した際にノートを持参し、メモを振り返りながら「(取り調べで)こういうことを言っていいのか」と法的判断を求めた。弁護士が取り調べに問題があれば申し入れができると伝えると、同容疑者は「お願いします」と反撃姿勢を鮮明にした。
 弁護団は「虚偽の言葉を使った違法で不当な取り調べだ」として19日、千葉県警と千葉地検に改善を申し入れ。市橋容疑者の逮捕容疑は、2007年3月、千葉県市川市の自宅マンションのベランダで英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった事件での死体遺棄容疑。法定最高刑は懲役3年で、同容疑で死刑判決が下ることはない。
 市橋容疑者は断食対策の注射も拒絶。16日に栄養剤を注射で投与された後、意識がもうろうとするなど具合が悪くなったため、19日には栄養剤の投与を拒否したことも弁護士に話したという。
 千葉県警は「真実追求のため、警察は法律にのっとり適正に捜査をしている」とコメントした。
 さて、どうなるか?

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