また、浅草寺から大通りを挟んですぐの《グリルグランド》のオムハヤシも、濃い目の味付けがうれしい。
浅草中映劇場で洋画の二本立てを楽しんだら、もう夕刻。
永井荷風が毎日通ったという《アリゾナキッチン》でビール&チリビーンズの景気付け。(ここのビールよりうまいビールは、なかなかお目にかかれないはずである。)
それから、いよいよ地下鉄銀座線出口すぐの《神谷バー》で昭和体験。
入り口で初回の注文チケットを買って、広い昭和レトロの店内で好きな場所に座し、ハーフ&ハーフ、煮込み、ジャーマンポテト、ごぼうのきんぴら…それと忘れてはいけない名物のお酒・デンキブランを待った。
(おれ、絶対タイムスリップしただろう…)、と心配になる重厚且つ清潔な店内で、ウスターソースが絶妙な下町風ジャーマンポテトをつまんでは、黒光りするハーフ&ハーフを流し込む至福の時。デンキブランは、食前の果実酒、といった味と趣。
「なかなかいいところでしょう!」と大先輩が声をかけてくれた。
そう、大先輩がやたら多いのもこの店の特徴だ。
満足したら、そのまま2Fのレストランへ移動。ここも神谷バーである。安くて間違いの無いうまさのハンバーグステーキで締めた。次は、3Fの純和風レストランにも挑戦してみよう、と誓う。
一人客仕事客も、デートも家族連れも、みんな等しく愉しめる街、浅草。
その懐はあくまでも深そうだ。