黒い実業家に変身を企む蝶野はこの日、携帯ゲームのソフト配信大手「G-MODE」から配信された新作携帯ゲーム「蝶野のケンカキック!コレだけ遊んでりゃいいんだ、オラ!」(今年10月14日まで、ドコモ、au、ソフトバンクのテトリス&Getプチアプリ内からアクセス)の発表会見に登場した。
会見では代名詞のケンカキックで悪者を撃退する同アクションゲームを実践。その腕前はいまひとつで「自分の携帯じゃないからうまくいかない」と1面すらクリアできずに言い訳していたが、それでも蝶野は「やっぱりゲームは簡単な方が面白い。このゲームなら長州さんの世代でもできる。長州さんも控え室でやってるかもしれない」とうそぶき、きっちりPRしていた。
今回、黒い総帥が日本最大となる150万人の会員数を誇る携帯ゲームサイトと“タッグ”を組んだのには思惑が見え隠れする。「こういう携帯ゲームを通じて若い人にもプロレスや俺のことを知ってもらえれば」と、表向きには若年層のファン拡大にうってつけであることを強調するが、真の狙いは今秋に開催するデビュー25周年のプロデュース興行だ。
1万人クラスのビッグマッチに向けてプロレス界屈指のビジネス才覚を持つ黒い総帥は「秋も(G-MODEに)応援していただければ」とバックアップを取り付け、携帯ゲーム会社を懐柔する気なのだ。
ただ、新日プロといえば、親会社がゲーム業界の大手の「ユークス」。よりにもよって違うゲーム会社から自身のゲームを出すとは、問題を起こしそうだが、新日プロによれば、今回は携帯ゲームであり、報告もあったことから問題はないとのことだが、これまで幾多のビジネスを仕掛けてきた黒い総帥は、両ゲーム会社を両天秤にかけ、ビジネス戦略を練っていることに違いない。