ファースト・シングル「Mashed Potato」も、セカンド・シングル『そんな名前 欲しくないよ』も、鈍い売れ行きで音楽活動をスタートをしたIMALU。一曲目の「マッシュドポテト」はよく知らないが、先日「うたばん」で『そんな名前 欲しくないよ』を歌う彼女を見た。歌も上手だし、声も悪く無い。だけどいかんせん『そんな名前 欲しくないよ』という、シャレにならない曲名に、壮絶なIMALUの半生を感じずにはいられなかった。
2才の時から別々に暮らしている父・明石家さんまは、何かにつけてお気に入りの娘の名前・IMALUの由来を持ち出す。「生(イ)きてるだけで丸(マル)儲け」という、父がつけたステキな名前をもつIMALU。しかし、彼女が歌に乗せて返した言葉は『そんな名前 欲しくないよ』。痛すぎる親子の溝を感じずにはいられない。
有名な名前をもったIMALUは、病院や学校で名前を呼ばれるたびに好奇な視線にさらされ、それは嫌な思いをしたという(さんま談)。愛子さまが感じたのと同じ種類の恐怖を感じ、いじめも受けたかもしれないIMALU。さらに両親の離婚、母の恋愛、すべての「家の事情」までも、日本中の人に知られているという、複雑な環境で育った。そんな彼女が、ここぞとばかりに今までの気持ちをぶつけた新曲『そんな名前 欲しくないよ』。いくらいい曲でもIMALUの怨念がたっぷりこもっていそうで、怖くて手が出せない。なんともかわいそうな気がするのだ。
とんねるずの石橋貴明と前妻の娘穂のかは、「まだ父を全部は許せない」と、はっきり自分の気持ちを告白した。まだ明るい。だから、現在の父の妻(鈴木保奈美)と同じ世界にぶつかっていけるのだろう。いつもしっかりして妙に大人っぽいIMALUは、まだ父や母との間にある感情に整理がついてない模様。一生懸命やっているのだが、なんとなく地に足も着いてない。素質もいい、努力もしている。でもヒットさせたいならまず、自分が歌う事をもっと楽しまなきゃ、話はそれからだ。(コアラみどり)