シーズン途中から4番としての出場が続いている岡本は、8月終了時点で「打率.310・26本塁打・84打点」という成績をマーク。シーズンが佳境を迎えた9月も、13日終了時点で「打率.407・5本塁打・10打点」と好調をキープしていた。
しかし、14日に行われたDeNA戦の8回表、相手投手スペンサー・パットンが投じた内角の直球が、スイングの体勢に入っていた岡本の右手を直撃。苦悶の表情を浮かべた22歳は、その後一度はグラウンドに戻るも、結局は途中交代を強いられることとなった。
不幸中の幸いで登録抹消までは行かず、翌日以降もグラウンドに立ち続けている岡本。ただ、15日のDeNA戦で3打数ノーヒットに終わると、さらに16、17日の中日戦でもそれぞれノーヒット。やはり死球の影響は大きかったのか、その打棒は鳴りを潜めてしまっている。
現在セ・リーグ3位につけている巨人は、4位中日、5位DeNA、6位阪神と共にクライマックスシリーズ(CS)出場を争っている。昨年はDeNAの後塵を拝し出場を逃しているだけに、今年は同じ轍を踏みたくないところだろう。
2年ぶりとなるCS進出のためには、打線の中心を担う岡本の存在は必要不可欠。しかし、仮にこのまま調子が戻らないとなると、当然ながら今後の見通しは非常に厳しくなる。
また、現在「打率.309・31本塁打・95打点」の成績を残している岡本は、プロ野球史上最年少での「3割・30本・100打点」達成も大いに期待されている。ただ、不調が長引くようならば、こちらにも暗雲が立ち込めることになるだろう。
来月4日のレギュラーシーズン最終戦(対広島)まで、残る試合はあと10試合。チームにとって、そして、岡本個人にとって、試練の10試合となることは間違いない。
文 / 柴田雅人