サラリーマンである著者は、常に週末の鉄道旅行のことで頭がいっぱい。少ない小遣いでも可能なルートを時刻表とにらめっこでひねり出し、きっぷ争奪戦の難関、仕事を最短で終わらす肉体的苦痛、妻と子を家に残す罪悪感など、あらゆるしがらみを乗り越えひとり車中の人となる。
ついに至福の時間を迎えた著者の喜びは、“同好の士”はもちろん、すべての趣味人が共感できるものだ。
また、帰省を旅に変える方法をはじめ、仕事での首都圏内移動までも鉄道旅と捉えたどん欲なコンテンツの数々は、まさにその筋の人必読だ。アルファポリス旅行記大賞受賞作。(税別1400円)