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西田隆維の映画今昔物語 第37幕「ゆれる」

 <今日のテーマ>転がりました

 カメラマンとして活躍する早川猛(オダギリジョーさん)は母の一周忌の為久しぶりに帰省しますが、父との関係はさほど良くはない。そんな中、兄の稔(香川照之さん)は二人の関係を良好にと、一生懸命にその場を切り盛りしようと温厚な性格。

 上京しカメラマンとして自由に生きる弟、猛に対して実家のガソリンスタンドを兄、稔が継いでいます。そのガソリンスタンドには幼馴染の智恵子(真木ようこ)も働いています。そこで再会した猛と智恵子は一夜を過ごし、その翌日3人で渓谷へ遊びに行きます。そこにあった吊橋をカメラを片手に一人淡々と渡る猛ですが、一方の稔は吊橋には近づこうとはしません。苦手なのです。
 智恵子は猛の元へと吊橋に渡り始めます。それを追い兄の稔も苦手な吊橋を渡り始め、どうにか吊橋の真ん中辺りにいる美智子の元へ追いつきます。この行動が美智子の転落死という事件の引き金にります。

 昨日まではお互い向き合いながらの兄と弟、しかし兄は自分を見失い心を閉ざしてしまいます。ほんの数日前とは違う稔に対して猛は懸命に兄の為に尽くします。しかし人格が壊れた兄は中々立ち直れません。前半は温厚な兄の稔が自由奔放な弟の猛に気遣いをしながら歩み寄り、後半部分は猛が稔に寄り添う逆転の関係性。今回は兄と弟と言う設定だから強烈でしたが、友達やカップルなど、関係が崩れるなんて良く耳にします。言いたい事をしっかりと告げられないまま溜め込んで、限界になったらスッと離れていく、または相手に対して強く言いすぎてしまい関係が壊れてしまう事です。

 難しい事なのかはわかりませんが相手を知る事が一番ですよね。その為にはまず自身を良く知る事です。自分を知る事の手段の一つとしては、客観的な意見、反省や後悔した事、喜んだ事、喜んでもらった事など日記などに書きとめたりして、読み返してみたりしてちょっとした意識の持ち方で知る事ができます。
 周りに気を使い自身を削る前にまずは、いつも頑張ってくれている自分に気を使ってみましょう。

<監督> 西川美和

<出演者>オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、真木ようこ。

<プロフィール>
 西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
 陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。

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